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『 ・・・あの人、少し前からあんな感じなんです。今日のはさすがに怖かったけど 』
怖いけど、銀さんに話してみることにした。
見られてしまったのなら、隠しておけないと思ったから。
「 少し前、てのは? 」
『 一週間くらい前です。
それまではお店の常連さん程度で、連絡先渡されただけなんですけど 』
そう。
ほんとにその程度だったのに。
『 その連絡先も、わたしから追加はしてないのにどこからか入手してきたらしくて。
それから毎日のように連絡がくるようになって・・・ 』
「 ・・・なんで言わなかった? 」
『 ・・・え、 』
いつもより、低い声。
顔を上げると 怒ったような銀さんの顔。
「 お前それ、今日俺がいなかったらどうなってたと思う 」
『 そ、れは・・・ 』
考えただけでゾッとする。
たぶんあの様子なら、引きずってでも車に乗せられてただろう。
「 落ち着くまで、俺が送迎する 」
『 えっ、 』
「 たりめェだろバカ。
ほんとバカ。肝心なとこでお前バカ 」
『 バカバカ言い過ぎ! 』
でも、それなら心強いかも。
「 店に来る分には仕方ねェけどよ、それでも気ィつけとけよ。ストーカーってのァとんでもねェからな 」
『 ストーカー、なのかあれは・・・ 』
お妙さんと近藤さん。
わたしが知るストーカーっていうのは、そのイメージしかなかった。
実際に見たことはないけど何となく、ゴリラ似の男性が可愛らしい女性にボッコボコにされている画が浮かぶ。
「 どうみてもストーカーだろ。
俺もされてるけどな、でもありゃストーカーっつーかただのドMだ 」
『 ストーカー!?銀さんに!? 』
それに、ドMって!
『 銀さんをストーキングするドMって・・・。
とんでもないですね、趣味悪ッ 』
「 今のすげェイラッと来た 」
つまり、わたしもどうやら趣味が悪いらしい。
そのドMさんとは気が合いそうだ。
それに対して銀さんは、イラッと来た、という言葉と共に傘を閉じてバサバサと水滴を飛ばしてきやがった。もはやバカを通り越してボケだボケ。
『 何してんですか!
バカなんですかアホなんですかボケなんですか!? 』
「 バカでもアホでもボケでもねェ!
銀さんはストレートヘアだ! 」
『 いや突然どうした! 』
なにがストレートだ。
思っきしくりんくりんだ、その髪は。
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まかろに - あ,ありがとう生前にこんな素敵な作品を読ませてくれて (2022年5月3日 23時) (レス) @page42 id: 96151534f5 (このIDを非表示/違反報告)
蘇羅蹤(プロフ) - 他の色々な作品と違い、キャラ崩壊が少なく面白いです!頑張ってください。 (2019年3月28日 12時) (レス) id: 7586ab9bf9 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - めっちゃ面白いです!ちょっと見ただけでどハマりしました!銀ちゃん可愛いぃぃぃぃ!!!続きが早く見たい!! (2018年1月19日 1時) (レス) id: 90a9ae15b2 (このIDを非表示/違反報告)
雛罌粟 - すっっっっごいこの作品大好きですっっっっ!!!!応援してます!頑張ってくださいっっ!!! (2018年1月13日 22時) (レス) id: ab7dcc8355 (このIDを非表示/違反報告)
セラ - この作品大大大大大好きです!!! 応援します!がんばれ! (2017年12月14日 6時) (レス) id: cf60114889 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅぴこ | 作成日時:2017年10月6日 0時