しろねこ、ぎんぱつ 【坂田銀時】

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昨日のアレから、銀さんと目を合わせられないでいる。

わたしが、銀さんを、好き？

･･･いやいやいやいや。

そりゃまぁ、顔はタイプだけど。ダメ人間じゃん。家事やんないし、ずっと寝てるし。

おまけにドＳだし、死んだ魚の目は未だ、煌めくところを見たことがないし。


それに、もしも仮に、わたしが銀さんを好きだとしてもそれは、所謂叶わぬ恋とかいう奴で。

･･･もしもの話だからね。



『 ( ･･･アレ、待って。苦しい ) 』



胸が、苦しい。
キュッと締め付けられるような感覚。



『 は、なんで･･･ 』



この感覚は初めてではない。
高校生の頃、好きだった先輩が彼女と仲良く歩いていたのを見たときと、全く同じ感覚。

･･･つまりは、そういうことで。



『 ･･･そっか、そうなのか。 』



どうやらわたしは、銀さんのことが好き、らしい。

認めてしまえば案外簡単なもの。
だがしかし、絶対に忘れてはいけないことがひとつ。



『 ( 別世界の人、なんだもんな･･･ ) 』



ありえないことではあるけれど、信じるしかなかったのだ。

その “ かぶき町 ” とやらは彼にとって大切な街。
いつかは帰る日がくる。
そうなれば、２度と会えなくなるだろう。

そう、先ほど言った通りこれは、“ 叶わぬ恋 ” というやつだ。


まさか自分がこんな、THE・恋愛映画！みたいな展開に巻き込まれるなんて。




やはりキュッと痛む胸を押さえ、ソファで眠る銀さんを床から見上げる。




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