しろねこ、ぎんぱつ 【坂田銀時】

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『 ･･･あれ、木刀･･･？ 』



玄関、靴箱に立てかけられていた木刀。



「 あ、忘れてた 」



どうやら坂田さんが忘れていたようだ。



『 木刀なんて初めてみたかも 』



竹刀なら見たことはあるけど、木刀はみたことがない。･･･ん、洞爺湖？



『 洞爺湖、ってコレ･･･ 』

「 あぁ、アレです。この木刀、修学旅行で洞爺湖の仙人が･･･ 」

『 あ、もういいです結構です 』



ふざけてる。
なにが仙人だ。
仙人がくれるようなヤツ忘れて帰る奴がいるか。



『 アレでしよ、ネットで買ったとかそんなんでしょ 』

「 なんでバレた！？ 」

『 当たってんのかよ！ 』



この人といると、力が抜ける。

変に気を遣わなくて済むから楽なんだけど、天然なのかわざとなのかわからないボケをかましてくるのが結局疲れる。



「 ネットっていうかテレビショッピングだけど 」

『 テレビショッピングで木刀買えんの！？ 』



テレビショッピングといえば、あの甲高い声の社長が浮かぶ。



「 アレですほらあのアレ、マイケルとかジェニファーとか出てくる･･･ 」

『 ･･･あぁ、そっち 』



つか知らねぇよ。
なんで江戸時代にテレビがあってテレビショッピング出来てんだよ。

マイケルとジェニファー、フライパン売ってるイメージしかねぇよ。焦げ付かないやつ。


天人然りテレビショッピング然り、やっぱり彼の住んでいた江戸の街は、わたしが習った江戸時代とは似ても似つかないものだった。



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