しろねこ、ぎんぱつ 【坂田銀時】

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＿＿＿＿＿ 歌舞伎町一番街




そう記されたアーケードを、アホみたいに眺める者が２人。

言わずもがな、わたしと坂田さんである。



『 で、どうですか？ここ歌舞伎町ですけど 』

「 俺の知ってるかぶき町は、漢字じゃなくて平仮名っすね 」



そういう問題なのだろうか。



『 街の雰囲気的には？ 』

「 似たようなモンです。
でも、着物着た人も天人もいねェ･･･ 」

『 ･･･そーですか 』

「 見たことねェ店ばっかだし 」



そう言いながら、チョロチョロと歩き回る坂田さんの着物の袖を掴む。



『 ちょっと、ストップ。
てことはアレですか。トリップしちゃった的な 』

「 ･･･それだ。絶対それだ！！ 」

『 ･･･もうほんとめちゃくちゃですね 』



それだ！じゃないよ全く。



『 ･･･ってことは、坂田さんはこの世界の人じゃないってわけですね？ 』

「 そう、ですね 」

『 じゃあ、いつか元の世界に戻らないといけないわけだ。
ちなみに、戻り方知ってます？ 』

「 知らないっすわ 」



･･･あっけらかんとしている。

大丈夫なのかコレで。



『 わかりました。なら、元の世界に戻れるまで家に住んでもらって構いません 』

「 え、マジっすか！？ 」

『 だって、行く宛ないでしょ？
その辺で野垂れ死にされても寝覚め悪いですし、拾ったのはわたしなんだから責任取りますよ 』



自分でも、なんでこんなに冷静で居られるのかわからない。
だって、ありえないでしょ。トリップなんて。

なのに、くるくると落ち着きなく動き回る目の前のこの人のことがどうしても放っておけなくて。


情け、と言ってしまえばそれまでなんだろうけど。

もっといろんな意味で、この人のことを知りたいと思ってしまった。



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