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帰宅するとおかえりの言葉もそこそこに保育園のお迎えで起きた出来事を嬉々として報告してくれたのんちゃんは相当嬉しかったようで晩ごはんが今日だれか誕生日かってくらいには豪華。ケーキあるけどマジで誕生日なん？
「うわっ、うまっ！」
ほめて！ほめて！と言わんばかりの目でこっちを見ているのんちゃんに実家で飼っていたわんちゃんが重なって思わずあたまをなでる。するとないはずのしっぽをぶんぶん振って、おかわりをよそってきてくれた。
「おいしい？」
「うん、めっちゃおいしいで」
そんなやりとりを見ていたからか、次の日から智洋が「ともくんもおりょうりする」とお手伝いを志願してのんちゃんとならんで晩ごはんを作ってくれている──そのうしろ姿は正真正銘すてきな親子のそれで、あまりにも可愛いからこっそり写真におさめた。
「…ぱぱどーお？」
「ん！おいしい！」
「ともくんやったやーん！」
「これともが作ったん。すごいなぁ〜、天才や！」
「へへへっ、こっちはのんちゃん」
「どれどれ、っむ、んん、うまっ」
ハイタッチしてぐるぐるまわって喜びを分かち合ったあとは俺の前に親子なかよくならんでなでられ待ち──なでてやればしっぽを振って大喜び。大型犬と小型犬や。
「あれ…淳太くん、なんか丸なった？」
ほめられたがりの犬っころたちがおいしいごはんをどんどん提供してくるおかげでスーツのパンツがキツくなってきた。そろそろやばいと思い、料理以外の家事をしてくれた時にほめてみたら効果抜群！
「おてて離したらあかんよ」
「いきなり走らんといて！」
本人たちも顔やおなかに若干の丸みをおびてきたから家族全員でダイエットがてらおさんぽをはじめてみた。たくさんおしゃべりをしながら歩くのはたのしいし、減量だけでなく運動不足の解消になるし、気を抜くとすぐ夜更かししてしまう智洋も運動量が増えたからころっと寝るようになって夫婦の時間も増えたりといいことばかり。
「淳太ぁ〜」
「なーにぃもう…ふへっ、こしょばいってばぁ」
「だって淳太いい匂いすんねんもん」
「うげっ…おもたっ…」
お風呂からあがったら一目散に寄ってきてうしろから抱きついてきたと思ったら首筋に鼻先を擦り付けてそわそわしとって、スマホ見ようとした途端に乗りかかるように体重をかけられて身動きがとれなくなる。
「ともおはよ。起きておさんぽ行こ」
「んぅー…ん、ぱぱからのんちゃんのにおいしゅる」
「えっ、嘘やん」
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作者名：26 | 作成日時：2022年10月21日 0時
