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黄「実家に帰らせていただきます」
赤「うぁあああああああん！！」
とりあえずご近所さんに通報されても困るから大音量で泣きつづけている大毅を落ち着かせるところから。
青「大毅」
赤「まっ まーまぁ」
青「うん、ママ帰ってくるから、大丈夫やから」
赤「うっ…ぐっ…うぅ…」
波打つちいさな背中が落ち着いてきて、肩口を見遣るとほっぺたに涙の跡をたくさん残して、指しゃぶりをしながら必死に寝ようとする大毅の姿に胸がぎゅうと痛くなった。
青「ごめんな…パパのせいやわ…ほんまごめん…」
やっと嗚咽も収まって規則正しい寝息が聞こえてきたから大毅を昼寝布団に寝かせようとしたらちいさな手で俺の洋服を離すまいと掴んでいて、布団で寝かせるのを諦めてだっこしたままソファに腰下ろして大毅が安心するように背中やおしりをぽんぽんしているうちに俺も眠ってしまった。
赤「…んぐっ……」
青「……」
お昼寝から起きた大毅は寝惚けている時こそ穏やかな表情を見せてくれたけど、頭がはっきりしていくと同時に淳子がいないことを思い出してぐずった。いつもはもっと！もっと！と淳子にねだっている大好きなおやつもひとくちだけ食べておしまい。
青「さびしいよな…ごめんな…」
赤「……っ！」
青「どしたん」
赤「まっ！まっんま！」
青「え？」
指しゃぶりをしながら悲壮感を漂わせてぽけーっと遠くをみていた大毅は突然ぴくん！と反応をみせると目をキラキラさせてママと言いながら振り返る。俺のひざに座ったままびよびよと跳ねてごきげんで踊っている大毅の視線の先にはリビングのドア──ガチャ、玄関のドアが解除されたのは数分後…予知とか淳子センサーだとしたら感度良すぎやろ。
黄「えっと………この子はどうしたんかな」
青「淳子が家出ていったとでも思ったんちゃう？」
黄「�陲舛磴鵑里�うち行ってきただけやで〜！？」
�陲舛磴鵑�らお姉さんから甥っ子のおさがりが届いたと連絡を受けて、荷物が多いからじゃんけんで負けたほうが行くことになって──負けた淳子はわざとらしく拗ねたふりをして冒頭のセリフを吐いて�陲舛磴鵑硫箸妨�かった、というわけ。
青「俺が勝ってもうたから…」
赤「まっ、まぁ」
黄「うん、そっかそっか。だいちゃんのお洋服とおもちゃたくさんもらってきたからもう泣かへんよー！」
数日後わが家に遊びにきた�陲舛磴�VS玄関からあげないようにする大毅の一戦が見れたとか見れなかったとか。
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作者名：26 | 作成日時：2022年4月26日 12時
