兵庫水軍と犬夜叉異聞路続編

犬夜叉参上 ページ10

バチバチバチ…！！水壁の結界に火花が散る。やがて、真珠が当たっている箇所から穴が開いていく。人が何とか通れるぐらいに大きくなったとき、犬夜叉が、

犬夜叉「今だ！先に行く！お前らも早く！かごめ、今行くからな！』

中へと飛び込み、一直線に走り出す。弥勒達は女神を連れて後に続いた。

かごめは何とか打開策を考えていたが、どうにもならない。水神は、矛を鬼蜘蛛丸に向けて構える。

水神「まず此奴からにしましょう。これが最後通告です。来ないのなら…！』

義丸「てめえ、止めろっ！』

矛の切っ先が鬼蜘蛛丸の心臓の直ぐ真上に定められる。かごめは立ち上がりかけた。だが、

鬼蜘蛛丸「駄目だ！此奴は倒さないと犠牲者がもっと増えてしまうんだぞ！俺は良いから逃げるんだ！早く！』

矛が突き出された。目を瞑る鬼蜘蛛丸。

疾風「鬼蜘蛛丸っ！』

間切「兄貴！』

舳丸「止めろ！』

義丸「畜生ッ！』

まさにその時、水神が矛を止め、後ろを向いた。その瞬間、

ドカァッ！！

水神「なっ…？！』

バキッ！

水神「ぐはっ！』

かごめ「犬夜叉…！』

壁を鉄砕牙で切り裂き、犬夜叉が飛び込んできたのだ。水神を蹴り飛ばして吹っ飛ばす。弾みで水の鞭が消え、鬼蜘蛛丸達は床に叩きつけられた。

ドシャッ！

重「あいてっ！』

義丸「っ痛えっ！おい、もう少しましな助け方出来ねえのか！』

疾風「あうっ！いてて…、腰捻った！』

鬼蜘蛛丸「犬夜叉君！無事だったのか！』

犬夜叉「まあな。かごめ、あんたら怪我はねえな？』

かごめ「うん。あたしは…。』

舳丸「今の今までは無傷だったんだが…。』

七宝「犬夜叉、弥勒達は何処じゃ！』

弥勒「我々なら此奴です。』

弥勒達が入ってきた。弥勒の手の上に居る女神を見て顔を歪める水神。

水神「貴様ら！女神の封印を解いたのですか？余計な真似を…！』

重「女神…？えっ？弥勒さんの手のひらに居るその人が？どういう事？』

弥勒「この方こそが本物の水神様ですよ。其奴は偽物です。この方の眷属の方達から聞きました。其奴は、本来ならご神体に使える為、此処の社の宮司達に飼われていた白蛇だったそうですが、ある日を境に女神様を裏切って成り代わったんですよ。だから矛が使えるんです。』

鬼蜘蛛丸「そうか。やはり偽物だったのか！神に仕える身の癖に、主に牙を剝くとは！許さん。覚悟しろ！』

義丸「白蛇は本来は清らかな神獣の筈だろ！なんて野郎だ！』

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