兵庫水軍と犬夜叉異聞路続編

封じられた女神 ページ8

―社の外―

弥勒と珊瑚は、社の外に倒れていた。何故か網問までいる。網問は、気を失っている二人を揺り起こしていた。

網問「何で俺だけ蚊帳の外何だよ全く。色んな意味で腹が立つな！弥勒さん、珊瑚ちゃん、起きて！早くかごめちゃん達を助けに戻らないと！』

其処に、

？「もし、この方は貴方方のお仲間では？幸い息はあります。其方のお二人も大丈夫だと思いますよ。』

意識を取り戻した二人と網問が其方を向くと、綺麗な天女が纏うような着物を着た魚たちが犬夜叉を引きながら泳いできた。

網問「嘘…、魚が着物を着て喋ってる！』

弥勒「恐らく、先程の配下達同様に妖術で力を得ているんでしょう。有難いですが、宜しいんですか。貴方方は水神の眷属では…？』

魚「其れは、社に居る奴ですか？ならば違います。彼奴は偽物です。我々は、元は此処の宮司達に飼われていました。彼奴はご神体に使える為に飼われていた白蛇なのですが、ある日を境に力を持ち、本物の水神様を騙して岩壁に幽閉し、雨乞いの矛を水神様から奪い取り、成り代わってしまったのです。』

網問「もしかして、四魂の玉の欠片の力で…？そうか、だから生け贄を喰らうようになったのか！此処の魚や蟹が人型になったのもその力なんだ。だったら、本物の水神様を助け出せば！』

魚「お助け頂けるのですか？お願い致します！我らでは近付く事は敵いませんので。彼処に見える岩壁の封印に閉じ込められております。どうかあの方をお助け下さい！』

弥勒達は頷くと、示された岩壁に近づいた。見れば、何やら札が貼り付けられている。すると、

？「誰かいるのか？』

網問「えっ？女の人の声！？って事は、本物の水神様は、女神様？はい。貴方を助け出してくれと頼まれました。如何すれば出られるのか教えて下さい！』

本物の水神「そうか。其方側の岩壁に札があろう。其れを剥がせ。そうすれば妾は出られる。』

網問「わ、判りました。待ってて下さい！あれ？なんだこれ？剥がせない。』

弥勒「私がやります。恐らく妖術で封印がしてあるんです。普通には剥がせないようにしたんでしょう。』

弥勒は経文を唱えながら札を掴み、一気に剥がした。

ドカッ！！

岩壁の札が貼られていた箇所が吹き飛び、土煙の中から岩壁に開いた穴が見える。その中に、美しい女性が居た。天女のような装束を着ており、見目麗しい。其れは良いのだが…、

珊瑚「ねえ、なんか小さくない？』

そう。女神様は、小人サイズであったのだ。

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