兵庫水軍と犬夜叉異聞路続編

桔梗の式神の力 ページ49

現れた桔梗の姿をした式神は、手をかざすと、手の中に弓矢を出現させた。桔梗が普段操る大きな和弓だ。素早くつがえると、肉付きの面の躰に向けて放った。

バシュッ！

肉付きの面「ぐわっ！？ば、馬鹿な…式神如きに妾の躰が…！」

何と、只の一撃で躰を全て一瞬にして浄化したのだ。千切れ飛んだ面が憎しみに満ちた声を放つ。

肉付きの面「おのれ…、よくも！一度ならず二度までも妾の躰を奪うとは…！巫女の小娘、貴様の躰をよこせ！」

シャッ！かごめに向かって飛んでくる。だが、

ガシッ！桔梗の式神が面を掴み、浄化の力を放った。声を上げる暇さえなく、肉付きの面は消滅していった。カチンッ。四魂の玉の欠片が落ちた。

かごめの脳裏に肉付きの面と始めて戦った記憶が過る。

(回想)

バキッ。犬夜叉が面の片側を握り潰す。だが、もう片方が不自然に落下する。

カタタタ…、ヒュッ！かごめの顔に取り憑こうとした。必死に摑んで押し返そうとするかごめ。

肉付きの面「妾の勝ちじゃ…。この娘の躰…もろうた。」

犬夜叉「っ！今行く！」

ビルの上にいた犬夜叉は駆け下りようとした。が、肉付きの面の方が有利な体勢だ。

肉付きの面「馬鹿め…間に合わぬわ。」

犬夜叉は鉄砕牙を抜き放ち、跳躍すると、かごめに叫んだ。

犬夜叉「かごめっ！面から手を離せ！」

かごめ「えっ？！」

驚くかごめ。当たり前だ。この状況で手を離せば面に躰を乗っ取られてしまう。だが、

犬夜叉「俺を信じろ、良いか、動くなよ！風の傷っ！」

パキ…、バサバサ…、

欠片のある箇所が綺麗に割れ、肉付きの面は消えていった。

(回想終わり)

鬼蜘蛛丸は腕からしんべえを離すと、桔梗の式神に言う。

鬼蜘蛛丸「有り難う。助けてくれて。今から学園に向かうよ。必ず何とかしてみせる！」

桔梗の式神は頷くと、人型の紙へと戻っていった。

疾風「さあ、呆けて居る暇は無い。急ぐぞ！お頭、皆、行きましょう。」

犬夜叉達は学園へ急いだ。

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