兵庫水軍と犬夜叉異聞路続編

肉付きの面再び(2) ページ48

しかし、肉付きの面は直ぐさま千切れた首を躰にくっ付けてしまった。再び首を飛ばしてきた。

シャツ！

蜻蛉「危ねえっ！かわせ！」

皆は飛びかわす。幸い躰の動きは鈍いので、首の動きを見てさえいれば躱すのは容易い。

其処に、道の片側から大きな猪が走り出てきた。肉付きの面は口を開いたまま猪に喰らいついた。

猪は喰らい付かれて絶叫を上げる。

バキバキと骨が砕け、血飛沫が上がる。口に猪を咥えたまま持ち上げ、いとも容易く喰らっていく。

鬼蜘蛛丸「ぐ…！ああやって人間を喰らうのか。あんなでかい猪を簡単に嚙み殺せるなんて…！」

喰い終わると、グバッ！何と、躰の下に、猪の四つ脚が生えたのだ。喰らった猪の脚だろう。地面を蹴ると、そのまま走り出す。かごめ達目掛けて。

皆は後ろに走り出す。しかし、しんべえが転んでしまった。

鬼蜘蛛丸「しんべえ君っ！」

鬼蜘蛛丸はしんべえを抱え起こした。だが、

がしっ。鬼蜘蛛丸の躰を何本もの腕が掴む。肉付きの面に喰われた人々の腕だ。妖力を込めたのか、鉤爪の付いた腕に変わり、鬼蜘蛛丸の躰に食い込ませてくる。頭を擡げて口を開ける。

肉付きの面「先ずは貴様から喰らってやる！」

間切「兄貴っ！」

しんべえ「鬼蜘蛛丸さん！僕は良いから逃げて！」

しかし、鬼蜘蛛丸はしんべえを抱き締めたまま笑顔を向けて言う。

鬼蜘蛛丸「だ、大丈夫だ…！決めたんだよ！もう二度…、負けないって！必ず君達を護る…！」

かごめが破魔の矢を放つ。だが、

バシッ！躰が大き過ぎて一部しか消し飛ばせない。

犬夜叉「チッ！元の姿なら、あんな野郎一撃で倒せるのに！」

協栄丸「くそ…、何か手は無いのか！」

きり丸「畜生…！っ！そうだ！桔梗さんから貰った式神を！」

きり丸は袂から式神の人型を取り出すと、肉付きの面に向けた。

きり丸「頼む！力を貸してくれっ！」

勢いを付けて投げる。人型はきり丸の手を離れると、高速で肉付きの面目掛けて飛んでいき、

カッ！光の塊と化し、その中から光る手のひらが現れ、

バシッ！

肉付きの面「ぎゃあっ！！」

何と、今にも鬼蜘蛛丸に喰い付こうとしていた躰が吹き飛んだのだ。

光の塊はそのままかごめ達と肉付きの面の間に来ると、人の形に変わった。その中から現れたのは、何と桔梗であった。

犬夜叉「桔梗！」

重「えっ？あの巫女さんが…？で、でも、確か乱太郎君と学園に向かったって…！」

弥勒「いえ、あれは、本体ではありません。桔梗様の式神です。」

桔梗の式神の力→←肉付きの面再び

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