兵庫水軍と犬夜叉異聞路続編

味方との戦い(2) ページ39

シャッ！血潮の刃が鎌のように義丸の脇腹を抉る

義丸「ぐあっ！」

痛みで抱えていたかごめと七宝を離す。その隙に、七宝が狐火を義丸に浴びせた

七宝「狐火っ！」

ボアッ！

義丸「うあっ…！？」

狐火に包まれた義丸は、気を失って倒れた

鬼蜘蛛丸「血を刃にして飛ばすとはな。流石に半妖とは言え大妖怪の血を引くだけはある。だが、君達は倒さなけりゃならない。来い！」

協栄丸「鬼蜘蛛丸！やめんか！しっかりしろ！」

網問「鬼蜘蛛丸の兄貴！」

間切「止めて下さいっ！」

疾風「くそ…！やっぱりお前らもか！止めろ鬼蜘蛛丸！」

かごめ「皆さん！あっ！弥勒様、珊瑚ちゃん。協栄丸さん達は元に戻ったのね！」

弥勒「ええ。後は鬼蜘蛛丸さんだけです」

その時、鬼蜘蛛丸は躰を痙攣させ始めた。苦しげに顔を歪める

鬼蜘蛛丸「くっ…止めろ…！お、お頭…皆…！犬夜叉、構わない！俺を斬れ！腹の奴だけじゃ無いんだ…！この場に…此奴らの親が…隠れて…ぐあぁぁぁっ……！！」

重「鬼蜘蛛丸の兄貴！如何したんですか！？」

弥勒「いかん！妖術を強めている！犬夜叉、早く意識を奪わねば！」

鬼蜘蛛丸は俯いた顔を上げた。表情が消えていた。袖がらめを構えて駆け出す。かごめ目掛けて！

鬼蜘蛛丸「あの時の恨み…、躰の皮を戻す夢を奪われた妾の恨み晴らしてくれる！半妖の小僧！四魂の玉を護る巫女の命は貰う！！」

網問「えっ？まさか、操ってる奴が喋ってるのか！」

犬夜叉が鬼蜘蛛丸を押さえようと彼の前に飛び出した。次の瞬間、

グバッ！！

犬夜叉「何っ！なる程。地面の下に隠れて居やがったのか！」

何と、鬼蜘蛛丸の直ぐ真後ろの地面を突き破って、躰の半分程の皮を失った巨大な山椒魚が姿を現した。間違いなくあの妖怪の山椒魚だ。犬夜叉達が旅の途中で立ち寄った時、岬で身寄りを無くした女性や娘達を自分の子供を取り憑かせて操り、旅人達の生皮を剥がして喰らっていたのだ。それを喰らう事で自分の皮を再生させるために。此奴は昔悪さを働いたため、法師に皮を剥がれて観音像を描いた掛け軸に封じ込められていたのだ

疾風「なっ…、なんだあの化け山椒魚は！鬼蜘蛛丸の背丈の倍はあるぞ！まさか彼奴が…？！」

珊瑚「そうさ、あんたらを操ってた奴等の親だよ！前に倒したんだけどね。あたしもその時に操られ掛けたんだ」

蜻蛉「許せん！両生類の妖怪の分際で…！大体そんな汚え姿で「妾」だと？妾って面(つら)か貴様！ヒキガエルみたいな面して生意気な！！」

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