兵庫水軍と犬夜叉異聞路続編

卵の意味 ページ26

鬼蜘蛛丸「貴様…！何て真似を！これは何のつもりだ！露姫様を返せ！」

犬夜叉「言って聞く相手な訳有るかよ。多分これは、此奴の餌だ。確か此奴、城下の娘共を集めさせてたんだろ？弥勒がさっき言っていた台詞を想い出してみな。見てみろ、この卵の中身を！」

言われて、兵庫水軍の皆とかごめは辺りを覆い尽くす卵を見る。何と、その一つ一つの中に娘が入っている。

義丸「な、何だよこれ…！この中に居るの、まさか全部城下の娘達か！いったい何人居るんだよ。何て真似しやがる！」

舳丸「酷い。なんて事を！ん…？お、おい兄貴達！この辺りの卵を見てくれ、躰が、まるでおたまじゃくしみたいに！」

何と、舳丸が示した卵の中に居る娘は、頭のすぐ下がおたまじゃくしに変化させられていた。プルプルと泳ぐように蠢いている。

弥勒「九十九の蝦蟇はこうして、捕らえた娘を卵に閉じ込め、魂を妖術で熟成させてから喰らうのです。この状態にまで行ったら、もう助かりません。躰が人間のままの間に卵から出さないと、いずれはこうなります。」

鬼蜘蛛丸「酷すぎる！人間は貴様の餌じゃ無いんだぞ！此奴め…！」

九十九の蝦蟇を睨む鬼蜘蛛丸。

義丸「人食い蛙め…！喰らえっ！」

義丸は投げ鉤を振り回すと、九十九の蝦蟇の腹目掛けて投げた。ザシュッ！鉤爪が九十九の蝦蟇の腹を深く切り裂いた。

重「あっ！此奴、俺達の武器でも傷を付けられるんだ！倒せる！」

疾風「多分人間を依り代にしているせいだな。」

九十九の蝦蟇「ググ…、死んじゃう…、た、魂―ッ！魂―ッ！！集まれッ！」

叫び声と共に、卵の中に居る娘達が空中を泳ぎながら出て来る。躰がおたまじゃくしに変わっている者達だ。そのまま何と九十九の蝦蟇の口の中へと入って行く。

ちゅるちゅる…、呼びだした魂を飲み込むと、何と義丸が負わせた傷が治ってしまった。

九十九の蝦蟇「グヒッ。寿命が延びた。斬りたければやってみろ。その分だけ此奴らの魂を喰ってやる！」

鬼蜘蛛丸「くっ、喰らった娘の魂を使って傷を治してるのか。これじゃ迂闊に攻撃出来ない！」

犬夜叉「だったら、一撃で息の根を止めてやる！其れなら魂を喰う暇もねえだろ！」

犬夜叉は鉄砕牙を抜いた。その時、九十九の蝦蟇が震えだし、こう言った。

？九十九の蝦蟇「つ、露姫…！わ、儂は…！嫌だ！そ、其方達、頼む。儂を…、殺してくれ！躰が…、言うことを聞かない！このままでは…儂は…露姫まで喰い殺してしまう…、早く！其方達の手で！」

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