兵庫水軍と犬夜叉異聞路続編

偽水神対兵庫水軍(2) ページ3

鬼蜘蛛丸「かごめさん、丁度よかった。此処に居たんだね。』

犬夜叉「あれ？あんたら何でこんな早く。まだ準備前だろう？食い意地が張ってんだな。』

弥勒「お前じゃ無いんですから。皆さんどうかされましたか。我々に何か？』

協栄丸「実はな、鬼蜘蛛丸と舳丸が町で妙な話を聞き込んで来てな…、あんた達に関係が有りそうだったんで早めに来た。聞いてくれるか？』

犬夜叉「何？まさか妖怪絡みか？』

協栄丸は鬼蜘蛛丸達が聞いた話をかごめ達に話した。

かごめ「子供を生け贄に？酷いわ！』

弥勒「穏やかじゃ有りませんね。調べてみましょうか。』

珊瑚「もしかしたら、妖怪が神様の振りをして人間を食べてるのかも知れないよ。』

犬夜叉「直ぐに調べに向かう。あんたら、町に案内してくれ。』

鬼蜘蛛丸「判った。其れと、頼みが有る。万が一妖怪の仕業なら、俺達も手を貸したい。海は俺達の縄張りだ。子供を喰らうなんて酷い真似は我慢ならないんだ。』

犬夜叉「止めときな。前にも話したろ。妖怪相手じゃあんたらには荷が重い。』

かごめ「犬夜叉、聞いてあげてよ。お世話になったんだし、彼等は海賊衆よ。海で悪さをする奴は倒さなくちゃならないのよ。』

犬夜叉「ちっ、仕方ねえ。判った。一応護ってはやるけど、但し、怪我してもそっちの責任だからな。』

義丸「判ってるよ。』

かごめ達は吉野先生に、外に少し用事を頼まれたので出掛ける。夕方には戻ると話し、許可を取ると町へと向かった。町に辿り着くと、何やら飾り立てた黒塗りの神輿が岬の方に向かっていた。身なりの良い商人らしき男達が列を成して神輿を先導しながら歩いている。啜り泣く者も居るので、多分生け贄を運ぶ列であろう。

重「酷いよこんなの…！何で誰も止めないんだ！』

犬夜叉「勝手なんだよ追い込まれた人間は。自分達の保身にしか走らねえ。全部がそうとまでは言わねえがな。』

義丸「お頭。』

協栄丸「判ってる。こんな馬鹿げた真似は、早く止めさせんとな。』

協栄丸は列の中心にいる男に近寄っていく。声を掛ける。

協栄丸「名主、暫くだな。ところで、これは一体何の真似なんだ。町の奴等は、あんたの息子を水神の社に生け贄に差し出すと言ってるらしいが？』

名主「これは第三協栄丸殿。お気遣いは痛み入るが、口出しは無用じゃ。私とて辛いのだ。だが、全ては町のため。致し方ないのです。お前達行くぞ。早く水神様の、お迎えの船まで運ぶのだ。』

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