ラブバケ！！２ (ページ9)

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Vacation : 59 ページ9

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「綺麗だよ、優。」

純白のウエディングドレスを身に纏う私は、今日から人妻になる。

「もう織部先生なんて呼ばれなくなるのね」

「生徒の間ではいつまでも織部先生だよ」

外を見ればもう桜が咲き始めそうな時期で。

今年度を最後に、私はこの職から去ることを決めた

「いつまでも織部先生…か」

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プロポーズをされて１ヶ月。

お互いに忙しくて結婚式の話はなかなか進まずにいた

夏ももう終わる。
あと１週間もすれば２学期が始まって、忙しくなる。

それまでに終わらせなければいけない仕事が沢山あるけど、保健室の掃除をしなきゃいけない！

夏の間に汚くなった保健室を片付けようと保健室に行くと、最近すっかり私の日常を荒らしに来なくなった彼の匂いがした。

「よう、織部先生」

「永瀬くん…」

夏休みになっても相変わらず私の心を乱してきてたのに、ぱたりと来なくなった彼

その理由は他の何でもなく、私のこの指先を見たからだと思う

でも私の前で平然としている彼は。
私が揺れていたあのときの彼でなくなった気がした。

保健室に入るよう促すと

「ケジメ、つけにきた」

と、清々しい顔で言う。

「俺、先生のこと好きやった」

うん、知ってるよ

「でも、それはもう終わり。

先生が俺にとって大切な人であることには変わりないから。

本気で、幸せになってほしい」

私の背中に向かってそう語りかける彼は、もう完全に私の知ってる彼ではない

ああ、もう彼の心はとっくに誰かによって染められたんだ。
私は彼と会わない間、彼が心配でならなかったのに。
そんな心配なんて、必要のないくらいに。

「好きな子、できた？」

その答えを聞くことが、彼から私への愛だと思うから。

「うん。先生とは、１８０度違うような子」

彼の愛は涙がでるほど重かった

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