センラさんに誘拐された件について。

お風呂 ページ7

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" 「 昨日俺が誘拐したせいでお風呂入れてないやろ？入ってきてええよ 」 "


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そう言われたのは約10分前。

ちゃぷん、と音を立てお風呂に浸かる。


緊張して 冷たくなっていた身体が

じゅわあああ と、なんだか溶けていくような

そんな感覚。



「 ……ふう、」


やっと、一息つけた。

…………とりあえず、さっきまでの事を整理しようか。


センラさんは私を誘拐して、その理由が " その目に惹かれたから " 。

この時点で、少し意味が分からないが。


そして、誘拐するまでに色々な事を調べた、

私の学校名、好きなもの、休日の過ごし方、……そして 私が " 有栖。" だという事。唯一、分からなかったものは私の本名。


「 …………はあ 」


整理、しようにも こんな事急にされて 受け入れられる訳が無い。

それに、……唯一の楽しみである曲作りが出来ないなんて、そんなの死ぬ、私が。



( ………………なんとか、ここから抜け出す方法は………… )



ここまで考えて、気付く。

ああ、そういえば センラさんはサラリーマンじゃないか。


──── センラさんが仕事を行っている間に抜け出せばいけるのでは。


しかし、決してへまは許されない。

油断、してもいけない。

慎重に、見つからないように 抜け出さなければいけない。



「 ……………… 」


今日、抜け出したい所だが 多分 今日は休みなのだろう。

お風呂に入る前、9時 くらいだったがまだ家を出ていなかったし……。


……作戦を練るのは、今日にしよう。

今日休みなら、恐らく 明日は仕事だろう。


一刻も早く、ここを抜け出さなければ。


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