センラさんに誘拐された件について。

服 ページ12

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「 いやあ……、ごめんな 」
「 いえ………… 」


結局、

服はセンラさんのTシャツになって。


センラさんはどちらかというと身長が高い方で

私はどちらかというと身長が低い方。


センラさんは私を気遣って一番小さいサイズの服を用意してくれたが やっぱり少し、……いや かなり ダボッ となっている。

Tシャツなのに、

私が着ればワンピースと進化する。



「 いや、ほんまごめん。服の事忘れてたわ…… 」
「 大丈夫ですよ気にしてないと言えば嘘になりますが 」
「 逆に気にしてなかったらちょっとビビるわ 」



はは、と。

なんとも爽やかな笑みを見せるセンラさん。



…………こんな笑顔見せる人が誘拐、とかするんだもんなあ。


元から悪い治安が更に悪くなったものである、本当に。



「 んー……、有栖。ちゃん 今日用事とかある？ 友達と遊びに行くー とか 」
「 無いですね。休みの日は基本パソコンと向き合っているので 」
「 そっか。よし、なら 服、買いに行こか 」



そう言ってソファから立ち上がるセンラさん。


…………え？ 私もしかしなくてもこの格好で出かける感じ？

なんて、そんなこと聞く暇もなくて。



「 んふふ、……デート やね 」
「 ……っ 」



ただ一言、

それだけを言い残して センラさんは用意をし始めた。



( ………行く、という選択肢しか残されていないのね 私には )


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