【 あほの坂田 】アンドロイド彼氏

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─────それは、突然の警告だった。身体に感じる、異変。その正体は、もう分かりきっていたもので。ああ、もう少しで 俺は消えてしまうんか なんて、ぼんやりと考える。


( ……分かってた、はずやのに、)


消えたくない とどこかで叫んでいる自分がいる。分かっていた、分かっていたはずだった、そもそもお姉さん、…………Aを、好きになる方が 馬鹿なのだ。


俺は お姉さん、…Aに、一目惚れならぬ、一聞惚れをした。彼女の声が、とてもすきだった。その優しい声を、俺だけに聞かせて欲しいと思った。その優しい声で、俺の名前を呼んで欲しいと思った。

そして、いざ 対面のとき。彼女は、とても可愛らしい人で。……この時点で、俺はもう ダメだったのかもしれない。だけど、気がついた時にはもう、引き返せないくらい俺はお姉さんのことが好きで、好きで、堪らなくて。



何度、俺だけのものにしたいと思っただろう。

何度、その優しい声を俺だけに聞かせて欲しいと思っただろう。



でもそれは、叶わぬ願いで。



「 ………なあ、おれ、あと何日で消えるん？ 」


ぽつり、

俺のそんな声が響く。でも、誰も返事などしてくれなくて。



「 ……消える、ってわかってるんやったら、突き放したい。…突き放したい、のに、あんたらはそれを許してくれへん。だって、俺は、」


アンドロイド彼氏、やから。



お別れの日まで、たった1人の彼女を癒し、そして幸せの時間を与える、アンドロイド彼氏。

…………俺は、その為だけに うまれてきたんやから。



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