儚い恋 (ページ15)

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北斗 side

今日だけは、今日だけは夢のことを忘れてもいいよね。

「A。ごめんね。」

『なんで謝るの？』

多分俺は今最高に情けない顔をしてるだろう。

「俺ちゃんとお前のこと分かってあげられなかったと思うから」

『今更何言ってんの？(笑)』

「本当は俺のこと好きなんでしょ？」

俺今自分ですげー恥ずかしいこと言ったよね。

『は？なに自惚れてんの？そんな感情とっくに冷めたわ！今は夢を追いかけてない北斗なんてなんの魅力もないんだからね？そんな北斗全然好きじゃない。夢見てる北斗はかっこいいけどね』

「やっぱお前すげー」

『何が？』

「お前の言葉で俺いつも頑張れてるから」

Aは本当はそんなこと思ってない。
だってこの顔。何半べそかいて強気なこと言ってんだよ。
でもようやく分かった。お前の本当の覚悟。
もう俺も後ろは向かないよ。

『北斗。私応援してるからね。もし周りが敵に見えても私だけはずっと味方だからね！本当は、本当は辛くなったら帰ってきなよなんて言ったらダメなの分かってるけど、、、どうしても。どうしてもって時には北斗が帰ってくる場所はずっとここにあるからね。最後に送る言葉にするなら、、帰ってくる時は夢っ叶えたらね！』

その言葉に今まで我慢してたものが流れ出てきて、

「Aっ。今までほんとありがとう。俺頑張るから。」

『いってらっしゃい！』

必死に笑顔を作って言うお前は強い。

別に会えない訳じゃないけど、

でも俺らは多分会うことはないんじゃないかな。そう思わせる言葉だった。