五十四話 ページ7
ころんside
美奈「高校にあがってもころんくんの事が忘れられなくてっ…私必死に探してやっと見つけたのにっ…!そしたらこの女と一緒にいて…」
『………』
美奈「…なんでこんな女と一緒にいるのよっ…!! ころんくんに似合うのは私、可愛いのは私だったのに…! ねぇ、ころんくん…?別れてよ!! なんでAなの…?」
会ったのに覚えていなかった。
それは申し訳ないし、本当に嫌な気持ちにさせたと思う。
…でも、Aをそんなに言うのは許せない。
どんなに説得されようが、僕が好きなのはA。
その気持ちは揺らがない。
ころん「…覚えてなかったのは、ごめん。でも、僕が好きなのはA。君じゃない」
僕がそう言い放つと、彼女は心臓を突き刺れたかのように顔を酷く歪ませた。
目頭にはじんわり涙が浮かんでいて。
下に俯いて、唇を噛み締めている。
美奈「…もういい…私、帰る…!」
そうとだけ叫び、美奈さんはどこかへ走って行ってしまった。
嵐のようだった空間は、美奈さんが去ったことによって一気に静まりかえった。
…それにしても、聞きたいことが多すぎる…
疑問はただ一つ。
"Aが顔のことばっか気にしてる"
ということ。
顔ばっか気にしてるって…
Aはそんなに気にしてたかな…?
思い当たるのは…「可愛い」って言われてすっごい喜んでたくらい?
Aに可愛いって言うと、普通の反応より大分喜んでた…けど、
Aは、昔から顔にどこかしらコンプレックスを持っているのかもしれない。
そしたら、「可愛い」と言われてあんなに喜ぶのに理解がいく。
本人に確かめてみるか。
ころん「…ねぇA。答えれたらでいいからさ。質問いい?」
Aは俯いて黙り込んだままだった。
ころん「顔ばっか気にしてるって…Aは顔にコンプレックスとか、あったりするの…?」
いや聞き方。
聞き方がとんでもなく悪い。
こんなんじゃ、答えてくれないだろ…
『…良いよ、話そうか…あっちのベンチ行こう』
断られるかと思いきや、まさかの了承をもらった。
それに驚き、「えっ?」と素っ頓狂な声をあげる。
僕に背を向け、ベンチへと歩き出すAを追う。
ころん「…A…」
…なんだか、無理させてるような気がする。
あんまり言いたくなさそうだったし…
言いたくないなら、言いたくないって言えばいいのに
…Aは優しいから、知りたがりな僕に気を使ってくれたんだろうな。
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あじゅき(プロフ) - ゆずたくあんさん» ゆずたくあんさんコメントありがとうございます!夢主ちゃん無事なんでしょうかね…? (2021年12月24日 10時) (レス) @page26 id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずたくあん - やだああぁぁぁあ()夢主ちゃん気になる…どうか無事であってくれ…! (2021年12月23日 20時) (レス) @page26 id: 2c620bbbe8 (このIDを非表示/違反報告)
そーだだお(プロフ) - 甘酸っぱい青春から一気にヤバイ状況に…この先どうなっちゃうんでしょうか… (2021年12月23日 19時) (レス) @page26 id: b62b3a7923 (このIDを非表示/違反報告)
あじゅき(プロフ) - 空白時さん» 空白時さん!!コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!!更新頑張ります! (2021年11月29日 14時) (レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
空白時 - コメント私の作品に私の作品にありがとうございました^^あじゅきさんも更新頑張ってください! (2021年11月29日 12時) (レス) @page19 id: f150051e85 (このIDを非表示/違反報告)
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