七十九話 ページ33
．
Aside
『大丈夫？ 気をつけて帰ってね』
｢うん、ありがとお母さん！｣
『誰がお母さんだ。じゃあ、また新学期にね』
ばいばーい！ と高校生にも関わらず手を大きく振りながら、ころんは元気に走って行った。
その姿が小さくなるまで見送ったあと、家の中に戻る。
コップとお皿を洗って、洗濯物を干して…
ある程度の家事が終わり、ソファーに身を投げた。
なんだか今日は、ころんのいろんな表情が見れた。
…ころんでも、あんな弱気な顔するんだ。
私の死ぬ夢を見て泣くなんて…思ってるより大事に思われてるんだな。
｢僕もAが一番好き｣
｢友達としてだけどね｣
…あぁ、でもそれも友達として、なのかな。
やっぱり、異性として見られてないのかな。
…いや、それだところんは無自覚な女たらしじゃない。
普通好きでもない女を夏祭りに誘ったりしないでしょ。
好きでもない女の死ぬ夢を見て泣くことないでしょ。
だったらやっぱり…
そう考えているうちに、視界が真っ暗になって。
次に視界が明るくなったのは、
｢…あぁ、起きたの？｣
『…母さん』
母さんが帰ってきた時だった。
いつの間にか外に干していた服は、ちゃんと取り込まれていて。
二つ分出されたコップを微笑ましそうに見ていた。
｢誰か来てたのね。夏祭りの時に一緒にいた男の子？｣
『…別に誰でもいいでしょ？』
私の言葉に、母さんは表情を暗くした。
どうでも良い、と思いたかった。
けど、それより嬉しいという気持ちの方が強くて。
嬉しい、嬉しい。母さんと話せた。
素直に喜びたかった、もっと会話をしたかった。
けど、変なプライドが私を邪魔して。
素っ気ない態度しか取れなかった。
それでも、一言何か言いたくて。
だから、掠れた声で
『…おにぎり、美味しかった』
とだけ言い残してリビングを出て行った。
その後、ドア越しから いつでも作るからね、と母の嬉しそうな声が聞こえてきて。
無意識に緩んだ口角に気づかないまま、私は自分の部屋に向かった。
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あじゅき(プロフ) - ゆずたくあんさん» ゆずたくあんさんコメントありがとうございます！夢主ちゃん無事なんでしょうかね…？ (2021年12月24日 10時) (
レス) @page26 id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずたくあん - やだああぁぁぁあ（）夢主ちゃん気になる…どうか無事であってくれ…！ (2021年12月23日 20時) (レス) @page26 id: 2c620bbbe8 (このIDを非表示/違反報告)
そーだだお(プロフ) - 甘酸っぱい青春から一気にヤバイ状況に…この先どうなっちゃうんでしょうか… (2021年12月23日 19時) (レス) @page26 id: b62b3a7923 (このIDを非表示/違反報告)
あじゅき(プロフ) - 空白時さん» 空白時さん！！コメントありがとうございます！すっごく嬉しいです！！更新頑張ります！ (2021年11月29日 14時) (レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
空白時 - コメント私の作品に私の作品にありがとうございました^^あじゅきさんも更新頑張ってください！ (2021年11月29日 12時) (レス) @page19 id: f150051e85 (このIDを非表示/違反報告)
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