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六十六話 ページ20

ころんside


『ん……あれ、ころん…?』

ころん「なぁに寝ぼけてんのもぉ〜、しっかりしてA」



目を擦ってゆっくりと起き上がるA。
そこにどことなく色気を感じてしまった自分は変態なのだろうか。


『……あれ、屋台閉まって…? …………えっ!?
ちょっと待って!? えっ、祭り終わってる?!』

ころん「だいぶ前にね。(名前爆睡してたよ?)」

『えぇ…嘘ぉ……』


がっくりと肩を落とし、僕の横でどんよりと落ち込むA。
よほどショックだったんだろうなぁ…
うん、僕もAと色々屋台回りたかった



…でも



ころん「大丈夫。また来年があるじゃん。また来年は、今度こそ一緒に回ろうよ」


あっ待って"一緒に"って言っちゃった…!
キモイとか思われてない? 大丈夫?
チラ、とAを見ると、口元を緩め、微笑んでいた


そしてふと気づいた。
Aは笑うとえくぼができるんだ。
口角を浮かぶと、涙袋が浮かぶ。
多分、普通より分厚い。


ほんの好奇心で、そっとその涙袋に触れてみた。
Aは、顔を真っ赤にして僕の手を振り払った。


『ちょっ、なにっ!?』

ころん「え、いや、涙袋…」

『……やめて、もぉ…』


顔だけじゃなく、耳まで真っ赤にしているA。
照れているのか、巻いている髪をくるくると指に絡ます。


これは、彼女の癖。
照れると必ず髪を指でいじる。
ずっと隣にいたんだ。彼女の癖くらい、もうとっくに分かった。


ころん「そろそろ帰ろっか…Aのお母さんが、心配するだろうしね」

『…うん』


"お母さん"
この言葉を口にしただけで、Aの顔が密かに曇った事に気がついた。


ころん「…どしたの?」

『んー、別に…最近、母さんが…』


あぁ、またか。
またAは、母親に振り回されているのか。
いい加減、もう解放してあげてほしい。
Aの自由にさせてあげればいいのに。


Aの人生なのに。
なんでそこまで、親に縛られるんだ。
Aが良い子だからって…そんなのおかしい


ころん「…僕はどうすることもできないけど、話くらいなら聞くよ? 沢山愚痴っても良いからね?」

『…ん、ありがと』


さっきよりは、少しだけ表情が和らいでいるような気がした。
少し間が空いて、Aが口を開いた。



『…最近お母さんが異常に夏帆に…妹に会いたがっててさ…連絡しろっばっかで…でも連絡しても返事来ないし…ちょっと参っちゃってて』

ころん「……あー…」





会わせてもらえないのか…

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作品ジャンル:恋愛
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あじゅき(プロフ) - ゆずたくあんさん» ゆずたくあんさんコメントありがとうございます!夢主ちゃん無事なんでしょうかね…? (2021年12月24日 10時) (レス) @page26 id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずたくあん - やだああぁぁぁあ()夢主ちゃん気になる…どうか無事であってくれ…! (2021年12月23日 20時) (レス) @page26 id: 2c620bbbe8 (このIDを非表示/違反報告)
そーだだお(プロフ) - 甘酸っぱい青春から一気にヤバイ状況に…この先どうなっちゃうんでしょうか… (2021年12月23日 19時) (レス) @page26 id: b62b3a7923 (このIDを非表示/違反報告)
あじゅき(プロフ) - 空白時さん» 空白時さん!!コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!!更新頑張ります! (2021年11月29日 14時) (レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
空白時 - コメント私の作品に私の作品にありがとうございました^^あじゅきさんも更新頑張ってください! (2021年11月29日 12時) (レス) @page19 id: f150051e85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あじゅき | 作者ホームページ:ない  
作成日時:2021年11月3日 6時

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