六十六話 ページ19
ころんside
ころん「…なんでまたいるの」
美奈「そんな顔しないで…? 謝りに来たの…」
そんなの、要らない。
謝るくらいなら、ここから去ってほしい。
もう、僕とAの時間を邪魔しないで…
美奈「…中学校の時は、ごめんなさい…その後の事も…」
ころん「うん、僕もごめん。別にそんなに気にしてないから」
素っ気なく返事を返す。
僕の態度に彼女は表情を曇らせたままだったが、ここまでしないと彼女は諦めないだろう。
美奈「…ねぇ、ころんくん。なんでその子がいいの…?」
ころん「…なんで? 美奈さんと何か関係あるの?」
美奈「…だって、私はそいつが嫌いだから…納得いかなくて」
下へ俯いて、言葉を濁す美奈。
…納得いかないのは、分からなくもない。
そりゃあ、自分の好きな人が嫌いな人と付き合ってると聞いたら、嫌な気持ちになるだろう。
…ここは、ちゃんと答えないとな…
ころん「…一目惚れだったんだよね」
美奈「え…?」
ころん「一目惚れなんて、馬鹿らしかった。正直、ここまで好きになるとは思ってなかったし…それに、恋愛なんてもうすることないと思ってた」
僕がそう言うと、美奈は顔をゆっくりと上げ、また俯いた。
相変わらず、表情は暗いままだった。
美奈「…私たちの、せいだよね…」
ころん「…うん」
少しの間、沈黙が流れ、また口を開く。
ころん「僕はAが顔を気にしていようが、別に良い。そんなAを支えたいって思った。ちゃんと家庭の事も、自分の悩みも向き合って、明るく振る舞う…そんな強いAが、僕は大好きなんだ。…だから…」
僕はちゃんと美奈へ視線を向ける。
それに気づいたのか、美奈もゆっくり顔を上げる。
ころん「…だから、僕の事は諦めてください。僕が好きなのは、Aです」
ここでちゃんとケジメをつけておきたい。
このでちゃんと、諦めてほしい。
美奈さんは涙を溜めながらも、深く頷いた。
美奈「…うん、これで諦める……ごめんね…」
震えた声でそう言い残し、美奈さんは去って行った。
一気に緊張から解ける。
ふぅ、と一息つき、汗を手の甲で拭う。
なんか変な汗かいた…
相手を振るって、こんなに緊張するものだったっけ…
するとようやく
『…あれ、私…何して…?』
Aが起きました。
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あじゅき(プロフ) - ゆずたくあんさん» ゆずたくあんさんコメントありがとうございます!夢主ちゃん無事なんでしょうかね…? (2021年12月24日 10時) (レス) @page26 id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずたくあん - やだああぁぁぁあ()夢主ちゃん気になる…どうか無事であってくれ…! (2021年12月23日 20時) (レス) @page26 id: 2c620bbbe8 (このIDを非表示/違反報告)
そーだだお(プロフ) - 甘酸っぱい青春から一気にヤバイ状況に…この先どうなっちゃうんでしょうか… (2021年12月23日 19時) (レス) @page26 id: b62b3a7923 (このIDを非表示/違反報告)
あじゅき(プロフ) - 空白時さん» 空白時さん!!コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!!更新頑張ります! (2021年11月29日 14時) (レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
空白時 - コメント私の作品に私の作品にありがとうございました^^あじゅきさんも更新頑張ってください! (2021年11月29日 12時) (レス) @page19 id: f150051e85 (このIDを非表示/違反報告)
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