ミルクティー【青】 ２

六十五話 ページ18

ころんside


あれから一時間ほど経ってしまった。
もう既にこの状況に慣れを感じってしまった僕が怖い…あんだけ最初は緊張してたのに。


花火が終わると、人がどんどん引いていき、屋台も閉まってきていた。
多分そろそろ僕たちも帰らないといけないんだけど、Aは一向に起きる気配がない。


僕は全然このままで嬉しいんだけど、Aのお母さんがなぁ…
僕と一緒にいるって分かったら、何されるか…
この前家行ってもやばかったし…


『んん…』


Aは呻き声を上げ、顔を一瞬険しくするも、またすぐに表情は和らいだ。
…よく寝るんだなぁ…
寝不足？ それとも疲れてるのかな…


そっとAの頭に触れ、髪の毛に指を絡ます。
顔だけじゃなく、髪の毛まで綺麗とは…
いつもと髪を下ろしたのもいいけど、こうやって束ねてる姿も良いな…



………てか、どうしよう。



僕今日こそAに好きって言おうと思ってたのに、タイミングが無いんだけど…
…今日も失敗に終わるのかな…



はぁ、と溜め息を深くついた。
すると奥の方から、微かに足音が聞こえた。
まだ人がいるのかな…？
足音のする方へ目をこらす。


周りの灯りは殆ど消えていて、よく見えなかった。
目を細くしてじっ、と見つめていると、ようやくそれが誰だか分かった。



………あぁ、またか………



美奈「…ころんくん、やっといた…！」



また、こいつが来た。

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