ミルクティー【青】 ２

六十話 ページ13

ころんside


え、ギュー？？
え、え？ ギュ、ギュー？？
ギューって、抱き締めて…って事…？


待ってダメだ
頭の整理が落ち着かない


ころん「…えっと…Aは僕に抱き締めてほしい、って事で合ってるの…？」

『………』


Aは黙り込んだまま、頬を赤らめて小さく頷く。
その様子は、本当に可愛かった。
え、でも…


良いの、かな…
Aはお願いしてるけど、なんか悪いような気がする…


まずそもそも、Aが僕に気があるのかすら知らない。
Aには、そういうのはちゃんと好きになった人としてほしい…


…なんて思えたら良かったんだけど。
内心本当はめっちゃ嬉しい。
今すぐ抱き締めたい。
でも緊張がやばいし、そんながっついてもなぁ…


そうモタモタしていると、Aの表情は徐々に曇っていった。


『…ごめん、嫌なら良いから』

ころん「えっ！？」


Aはとうとう、俯いてそっぽを向いてしまった。


待って違う、
嫌じゃない、むしろ嬉しいんだよ！



…あぁ、もう！！ どうにでもなればいい！！



やけくそになって、強引にAを引き寄せた。
えっ、と素っ頓狂な声を上げるAを無視して、僕は力いっぱい彼女を抱きしめた。


自分でもわかるくらい、身体が熱い。
鼓動が信じられないくらい速くて、苦しい。
緊張と嬉しさで、体が震える。



…やばい、今すっごい幸せなんだけど…



『…ころ、ん…』


鼻声になっているAの声を聞いて、ハッと我に返った。
Aの顔を恐る恐る伺うと…



顔をトマトのように真っ赤にして、目を潤しながら今にも消えそうなくらいに震えていた。

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