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五十九話 ページ12

Aside


え、と掠れた声が漏れた。
ころんは真剣な眼差しで私を見つめる。


ころん「もう謝らないで? …僕は、Aを醜いだなんて思わないよ? Aは見た目も中身も、とっても素敵な女の子じゃん。そんなAが好きなんだよ?」

『っ…ころん…』


なんで、なんで…
意味がわからない、


こんなひねくれ者な私が素敵なの?
他人と自分を比較しては勝ち負けを決めるような私を、醜いと思わないの?
こんな私を、好きだと言ってくれるの…?


こういう時、素直に嬉しいって言えたら良かったのに…


ありがとう、ころん
本当に嬉しい、
…でも、今は喋れそうにないかな、


『っ…』


やっと止まったかと思った涙は、再び溢れかえってきた。
自分でもわかるほどに、顔を歪ませる。
こんなに酷い顔を見て欲しくなくて、両手で顔を覆った。


先程のころんの言葉が脳内に再生される。



……好き、って、そういう風に捉えていいのかな…?
わからない、けど、本当に嬉しかった。
好きだなんて、もう何年も言われてなかったような気がする。


久しぶりに好きだと言ってくれた人が貴方で良かった


ねぇ、ころん。
…今だけ、その懐かしさに甘えても良いでしょうか


私はころんの服の裾を軽く引っ張った。
それに気づき、こちらへ振り返る。


ころん「ん、どしたの?」

『…おねがい、してもいい?』


ころんは一瞬だけ目を大きく見開き、何かを考えるように少し下へ俯いた。


…だめなのかな


だめならだめで言ってくれて良いんだけど…
そう思っていたけど、まさかのころんからの返答は
「いいよ」
だった。


まさか許可を貰えるなんて思ってなかった…
じゃあ、良いのかな…


欲を言えば、また彼に「好き」と言ってほしい。その気はなくても、私は嬉しかった。


でも…ころんからしたら嫌だろう。
好意のない女性に好きだと言って欲しいだなんて、逆に恐怖にもなりうる。


こんな事を考えた自分が恥ずかしくて、頬がじんわり熱くなった。



…でも、欲は我慢したくない…



…ごめんね、ころん。
私のわがままを聞いて



『…ギューって、してほしい……』

ころん「…………え…?」

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作品ジャンル:恋愛
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あじゅき(プロフ) - ゆずたくあんさん» ゆずたくあんさんコメントありがとうございます!夢主ちゃん無事なんでしょうかね…? (2021年12月24日 10時) (レス) @page26 id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
ゆずたくあん - やだああぁぁぁあ()夢主ちゃん気になる…どうか無事であってくれ…! (2021年12月23日 20時) (レス) @page26 id: 2c620bbbe8 (このIDを非表示/違反報告)
そーだだお(プロフ) - 甘酸っぱい青春から一気にヤバイ状況に…この先どうなっちゃうんでしょうか… (2021年12月23日 19時) (レス) @page26 id: b62b3a7923 (このIDを非表示/違反報告)
あじゅき(プロフ) - 空白時さん» 空白時さん!!コメントありがとうございます!すっごく嬉しいです!!更新頑張ります! (2021年11月29日 14時) (レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
空白時 - コメント私の作品に私の作品にありがとうございました^^あじゅきさんも更新頑張ってください! (2021年11月29日 12時) (レス) @page19 id: f150051e85 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あじゅき | 作者ホームページ:ない  
作成日時:2021年11月3日 6時

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