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三十三話 ページ33

ころんside

『…ころん? どうしたの?』

ころん「…えっ、なにが?」

『急に黙り込むから…何かあったのかなぁ、と』

ころん「いや、そんなことはないんだけどさ…」

『…そう?』


そう言って、Aは僕の顔を覗き込んだ。


…やめてよ、それ、他の男にもやってるの…?


…ねぇ、他の男にもそれやってるんなら、僕嫌だよ…


ころん「…A近い、やめて」

『えっ、…ご、めん…嫌、だったよね…?』


拒絶されたのが悲しかったのか、Aは顔が少し暗くなった。


違う、いや、違わない、けど…


そういう嫌じゃない、


本当は嬉しいんだよ、すっごく。


…でも、不安なんだよ、


別に付き合ってるわけじゃないし、Aだって、きっと僕の事を"恋愛対象"として、きっと見ていない。


…でも、僕は好きなんだよ?
Aの事、ずっとずっと。
だからこそ、Aの行動や発言が、怖い。
Aのその行動で、発言で。好きになる男がいっぱいいるんだからさ…


Aも、僕にその気がないなら、そういう、勘違いさせるような事しないでよ…


ころん「…Aはさ、…嫌じゃないの…?」

『…え? 嫌、って…?』

ころん「…今こうして、僕に手を握られてる事」

『え…ど、どうしたの、急に』


急な質問に、Aは困惑している。
僕は再び、手を握る力をほんの少しだけ強めた。


ころん「…だって、僕たちつきあってるわけじゃないし…A、無理して僕に合わせなくていいから。嫌なら嫌って言いなよ」

『………』


俯いたまま、Aは口を閉ざしている。
…やっぱり、嫌なのかなぁ、


そう思って、手を離そうとした瞬間、


『…私は、嫌、じゃないよ…』


と返事が帰ってきた。


ころん「え…? …ほんと、?」

『…うん。急でびっくりしたけど…嫌いだったらとっくに手を離してるよ』

ころん「…そっか」


良かった、と安堵の息を漏らした。


『…それに』

ころん「…ん?」


まだ何かあるのかな。
Aは頬を少しだけ赤らめて、何やらもじもじしている。


『…ころんの事、嫌いになるわけないじゃない、…ここに来て、初めての友達だったんだし…』

ころん「A…」

『それに、…私は好きだよ、ころんの事』

ころん「………え…?」

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作品ジャンル:恋愛
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あじゅき(プロフ) - リンさんコメントありがとうございます!!そう言っていただき、私も嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2021年10月24日 23時) (レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
リン - このお話好きなので、書き方が好きなので、新しいお話読めて嬉しいです!遅れましたらが、初コメひつれいしました。頑張ってください! (2021年10月24日 22時) (レス) id: 7fbb50c056 (このIDを非表示/違反報告)
リン - あ (2021年10月24日 22時) (レス) @page40 id: 7fbb50c056 (このIDを非表示/違反報告)
あじゅき(プロフ) - さところさん、コメントありがとうございます!そうですねー、醜形恐怖症とは、外見上の欠点にとらわれること、でしょうか。外見での些細なことが気になり、生活に支障をきたしてしまう、という事です。わかりにくくてすみません、、これからもよろしくお願いします! (2021年10月24日 19時) (レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
さところ - めちゃくちゃ面白いです‼︎醜形恐怖症って何ですか?よければ教えてください。あと言い忘れてました、はじめまして。これから頑張ってください‼︎ (2021年10月23日 22時) (レス) @page24 id: 6a3452bb65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あじゅき | 作成日時:2021年10月14日 21時

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