二十四話 ページ24
ころんside
ころん「…もう大丈夫？」
『うん、？ごめんねころん、ありがとう、』
Aはズビ、と鼻をすすりながら涙を拭っていた。
鼻は真っ赤になって、目は少し腫れていた。
Aは僕に心配かけたくなかったのか、彼女はふにゃ、と笑って見せた。
でも、そんな笑顔は見たくない。
嘘の笑顔なんて、見たくない。
僕の前では、正直にいてほしい。
気づけば、僕は勝手にAの腕を掴んで、校舎へと進んでいた。
『こ、ころん？』
ころん「早く教室行こ。そろそろ人来るんだろうし」
『う、うん』
なんて勝手なんだろう、と自分でも思う。
でも、ね？
あんな所でずっといられても、邪魔になるだろうしさ。
…決して、早く二人きりになりたいとかは思ってないですよ、、
…嘘です、思いました。
いや、ほら。
欲には正直になれって言うじゃん。
それと一緒だよ。やましいことなんてしないし。
そう一人で頭の中を整理していたら、後ろから
ゴンッ
と、とてつもない音がした。
びっくりして振り返ると、Aがおでこ辺りを両手で押えて悶えていた。
多分、どっかでぶつかったんだと思う。
音的に、壁かどっかかな？
『いっ、た…』
ころん「え！？ A大丈夫！？ どこでぶつけたの？」
焦ってAに近寄ると、Aはなんとも可愛らしい笑顔で大丈夫、と答えた。
え、なに殺す気？？
そんなん他の男にやってみろ。瞬殺だぞ。
そうAに言ってやりたかったけど、グッと堪えて、再び教室へと向かった。
教室の前まで来たところで、ふと疑問が浮かんだ。
Aは何故ぶつかったのだろう、と。
普通に前を歩いていたら、ぶつかりなんてしないだろう。
体調でも悪いのか？
そう思い、チラ、と隣にいるAに視線を向けた。
…あー、なるほどね。
そりゃ、どっかにぶつけるわ。
だって、A俯いて歩いてるから。
ころん「…A、ちゃんと前向いて歩きなよ。危ないでしょ」
僕はAの顎に人差し指で触れて、クイッと顔を持ち上げた。
え、ちょっとドキっとくるんじゃない？
Aは一瞬驚いた顔をして、恥ずかしそうに、僕の指を振り払った。
…うーん、だめかぁ
『…大丈夫、だから』
ころん「そんなこと言って、ぶつかったのは誰ですか」
『………』
ころん「もう、別にいいけどさ、気をつけて歩きなよ？」
『…うん』
再び俯くA。
危ないなー、もう。
そう思いながら、僕は教室の扉を開けた。
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あじゅき(プロフ) - リンさんコメントありがとうございます！！そう言っていただき、私も嬉しいです！これからもよろしくお願いします！！ (2021年10月24日 23時) (
レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
リン - このお話好きなので、書き方が好きなので、新しいお話読めて嬉しいです！遅れましたらが、初コメひつれいしました。頑張ってください！ (2021年10月24日 22時) (レス) id: 7fbb50c056 (このIDを非表示/違反報告)
リン - あ (2021年10月24日 22時) (レス) @page40 id: 7fbb50c056 (このIDを非表示/違反報告)
あじゅき(プロフ) - さところさん、コメントありがとうございます！そうですねー、醜形恐怖症とは、外見上の欠点にとらわれること、でしょうか。外見での些細なことが気になり、生活に支障をきたしてしまう、という事です。わかりにくくてすみません、、これからもよろしくお願いします！ (2021年10月24日 19時) (レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
さところ - めちゃくちゃ面白いです‼︎醜形恐怖症って何ですか？よければ教えてください。あと言い忘れてました、はじめまして。これから頑張ってください‼︎ (2021年10月23日 22時) (レス) @page24 id: 6a3452bb65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あじゅき | 作成日時：2021年10月14日 21時
