ミルクティー【青】

十話 ページ10

Aside



今の母さんは何を言っても無駄なので、私はさっさとお風呂に入ろうと、洗面所へ向かった。



それと、確認をするために。



鞄を床に置いて、まずはじめに手を洗う。



…そして、



ゆっくりと、鏡に映る自分の姿を見る。



『っ！！』



ガタンッ
ガシャン



そばにあった自分の化粧用品を、床にぶちまける。
やっぱり、顔はいつも通り、醜くて。



今日は頑張って化粧したんだけどな、
誤魔化せてなかったのか、



嫌だ、
恥ずかしい、
気持ち悪い、
…醜い、



いろんな思いが募り、気づけば目頭が熱くなり、涙が溢れていた。



『〜〜っ、……うっ、……ｸﾞｽｯ、…』



きっと母が不機嫌になるだろうから、なるべく声を押し殺して。


私は泣いた。


これを何年繰り返しているんだろう。



鏡で自分の顔を確認して、確認しては嫌になって物にあたって泣いて。



本当、訳が分からないと思う。



自分の顔が嫌だ、



自分の目元が嫌だ、
口が小さくて嫌だ、
自分の鼻が嫌だ、




鼻はもっと筋が通っていないと気に食わない、鼻はもっと高くなりたい、

目はもっと大きくてぱっちりしたのがいい、もっと目が大きかったら良かったのに、

口はもっと大きいのがいい、口が大きい方が笑った時が可愛いから



自分の顔のパーツ全てが嫌だ
いくら化粧で誤魔化したって、結局気に食わない。



なんで私は顔のことで悩んでいるんだろう
わざわざこんな悩みで毎日毎日泣いて、本当情けない
何故こんなに顔が気に食わないんだろう





この顔のせいで、何度死にたいと思ったことか
何度顔の事で悩んでは死のうかと思ったことか


分かってる、これは親の顔を侮辱しているのと同じということ。
私と母さんは特にそっくりだから。
でも、嫌なものは嫌なんだ、



…死んで生まれ変わったら、きっと今度は顔が良い普通の女の子に生まれ変われるって、思ってた。



でも、私には死ぬ勇気なんてなくて。

でも、死にたくて、この顔を今すぐ変えたくて。

整形なんてする勇気ないし、そんなお金がないし。

だからこそ化粧で誤魔化そうと頑張ってるのに、結局気に食わなくて。





…私は何がしたいのか、わかなくなって。









こんな私を、誰か好きになってくれるんでしょうか









こんな私を、誰か愛してくれるんでしょうか

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