ミルクティー【青】

三十九話 ページ39

※時間が結構進んでます、注意


ころんside


とうとう一年生全ての学期が終わって、春休みに突入しました。


今は、Aの家にお邪魔しています。


特にこれといった用はなかったんだけどね。


ころん「でね、その時にさー」

『うんうん！ それで？』


こんな感じでずっと喋ってました。
そんな時に、急に将来何になりたいかって話になったんよね。


『ねぇ、ころんは将来は何をしたい？』

ころん「んぇ？ 僕？ 僕はね、…教師になりたいんだよね」


僕がそう言うと、Aは意外、と驚きをかくせていなかった。


ころん「だから、必死に勉強してたんだけど、そしたらやっぱりクラスで浮いちゃった。…でも、今はAがいるから全然へーき！」

『！ …ありがとう、私もころんがいてくれて嬉しいよ』


なんだか、正面から言われると恥ずかしくて。
少しだけ目線を横にずらしながら


ころん「Aは将来何になりたいの？」


と聞いた。


『…私はね、歌い手になりたいの』

ころん「歌い手？」

『うん。憧れている人たちに近づきたくて。…きっと、無理だろうけどね』


…何故、無理だと決めつけているのだろう。
Aは黙り込んだまま、顔を曇らせている。


ころん「なんで？ 無理かどうかは分かんないじゃん」

『母さんが反対してるの。そんなのダメよ。そんなんするんなら、もっと良い仕事をしなさい、だってさ』

ころん「それにAはいいなりになってていいの？」


いくらお母さんが好きだとしても、こんなに縛られる必要なんてない。
Aの人生は、Aが決めるべきだ。
そこまで母親に従う事ないんじゃないかと思う。


『…良いの別に。それに、私歌い手の他にもやりたいことはいっぱいあるから』

ころん「そう、なの？」

『うん。そっち目指しても…良いかなって思ってる』


顔は曇ったままだけどね。
…やっぱり、諦めたくないんじゃん。


『…ねぇ、ころん。もし私が歌い手になれなかったら、その時はころんが代わりになってくれない？』

ころん「えっ」

『覚えてたらでいいから』

ころん「えぇ…」


歌うことは別に嫌いじゃないし、寧ろ好きな方だ。
でも、歌い手にになれる自信がない。
ここは曖昧な返答をしておこうか。


ころん「…まぁ、覚えてて気が向いたらね」

『うん。それでいいから』


僕に夢を託されてしまった…
でも、努力家なAなら絶対慣れるような気がする


大丈夫、Aならいけるから。


…頑張れ、A

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