ミルクティー【青】

二十話 ページ20

ころんside


みなさんおはようございます。ころんです。


今日が楽しみすぎて、いつもより早く起きてしまいました。


別に今日はこれといったことはない。


ただAに会えるのが楽しみなだけです。


ころん「行ってきまーす」

ころん母「え、ご飯は？」

ころん「いらなーい」

ころん母「えぇ…？？」


早く学校に行きたくて。
早くAに会いたくて。
別にお腹は空いてないので、身支度を整えて、もう家を出た。


学校まで走っていると、見慣れた後ろ姿があった。


ころん｢A！！」


僕が叫ぶと、彼女は振り返って。


『あ…ころん！おはよう』


僕の名前を呼んで、はにかむ彼女。
あぁ、今日も生きてきて良かったです。


ころん「おはよー！ 今日も早いねー」

『ころんも早いね』

ころん「んー、僕はAに会いたかっただけー！」

『ふふ、なにそれ』


そっと肩を組んでみるも、嫌な顔などされず。

ふっ、と安堵の息が漏れた。


そのまま学校まで一緒に行くことにした。


こんな少しの時間でも幸せで。


誰にも邪魔される事無く、ずっと続けばいいのに。


…しかし、そんな願いは一瞬で打ち砕かれた。


「…あれ？ あれころんくんじゃない？」

「あ、ほんとだ！ やっと会えた」

「…ころんくん、久しぶり…中学校以来だね…｣


学校の門前に、会いたくない奴らがいた。
こいつらは、僕に水をぶっかけて、挙句の果て僕を罵倒した奴ら。


自分でもわかるくらい、不機嫌になった。


ころん「……なに、何か用？」

「そ、そんな顔しないでよ…今日は、謝りたくてここに来たの…」

ころん「謝るってなにを？ そんなのいらないし」


早く帰って欲しくて、冷たくあしらっているのに。
一向に帰る気配がない。


ころん「てかなに？ もしかして僕が来るまで待ち伏せしてたわけ？わざわざ？ 怖いんですけど」


ここまで言っても、彼女達の足は動かない。
流石の僕もイライラしてきた。


ころん「はぁ…もういい。早く自分の学校行きなよ。遠いんでしょ。A、行こ」


早くこの場を立ち去りたくて、Aの腕を半ば強引に引っ張った。


しかし、Aもその場から微動だにせず。
彼女たちを見て硬直している。


『…なんで、美奈がいるの…』

美奈「え…？…A…？」

ころん「…？どゆこと？知り合い？」

『…うん、小学校の頃の…元、友達…』


なんということでしょう皆さん。

僕を好きだった奴と僕の好きな子が、元友達だったらしいです。

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