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十二話 ページ12

Aside


『うわ、目腫れてる…』


昨日の夜散々泣いたので、案の定、目が腫れてしまった。


腫れているといっても、目立つほど腫れているわけではなかった。


でも、やっぱり嫌だった。


『…ぶっさいくな顔、ほんと、』


腫れていて、余計顔が嫌になってくる。
家を出る直前まで目を冷やし、その時にはもうほとんど腫れは引いていた。


目は赤かったけど…


私はいつも通り音楽を聴きながら登校した。
少し早く来すぎたか…
靴箱を見るも、靴はほとんど空だった。


良かった、じゃあまだ目をなおす時間はある
靴からシューズに履き替えて、教室まで向かった。


荷物を置いてから冷やそう。


そう思って、教室に入った。


が、先に登校している人が一人居た。


『…あれ、青柳、くん』


私の隣の席、青柳くんがいた。


ころん「Aちゃんおはよ。早いんだね」

『…青柳くんも早いんだね』

ころん「僕はたまたま、いつも遅刻してきてるから」

『ふふ、そうなんだ』


真面目な人なのかと思いきや、時間にはルーズなようだ。
意外で、少し笑った。


私と青柳くんは一緒に席に着く。


良かった。目について触れてこないから、きっともう大丈夫なんだろう。


…そう思ったのも束の間で。

ころん「…あれ、」

『?どうしたの?』

ころん「…Aちゃん、目腫れてるけどなんかあったの?」

『…え、』


ギク、と肩を上げた。
心臓の音が、教室に響いているんじゃないかというくらいうるさい。


…変だと、思われただろうか
私は今どんな顔をしているんだろう
…きっと、いつもより不細工なんだろう


そう思うと、怖くて、嫌で。


私は青柳くんに聞いてみた。


『…青柳くん』

ころん「なっ、なに?」


いつもより低くなってしまった私の声に対し、青柳くんはいつもより高い声で返事をしてくれた。

『私、変…?』

ころん「へ…?」

『私の顔、変?』


なんていう質問なんだろう。
きっと、青柳くんもやばい奴だと思っているだろう、
返事はきっと返ってこない。
そう思っていたら、


ころん「変じゃないよ?」


なんて返ってきた。


『……ほんと、?』


"変じゃない"
その言葉にホッとした。


ころん「うん勿論!!今日も可愛いよ!!」

『えっ、?』

ころん「…………あ、」


え、…今…可愛い、って言われた…??
え、私の事…で間違いない、??


青柳くんは顔を真っ赤にしながら口元を抑えて。


それが嬉しくて。


『ふっ、』


私は笑った。

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作品ジャンル:恋愛
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あじゅき(プロフ) - リンさんコメントありがとうございます!!そう言っていただき、私も嬉しいです!これからもよろしくお願いします!! (2021年10月24日 23時) (レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
リン - このお話好きなので、書き方が好きなので、新しいお話読めて嬉しいです!遅れましたらが、初コメひつれいしました。頑張ってください! (2021年10月24日 22時) (レス) id: 7fbb50c056 (このIDを非表示/違反報告)
リン - あ (2021年10月24日 22時) (レス) @page40 id: 7fbb50c056 (このIDを非表示/違反報告)
あじゅき(プロフ) - さところさん、コメントありがとうございます!そうですねー、醜形恐怖症とは、外見上の欠点にとらわれること、でしょうか。外見での些細なことが気になり、生活に支障をきたしてしまう、という事です。わかりにくくてすみません、、これからもよろしくお願いします! (2021年10月24日 19時) (レス) id: e43a74c31a (このIDを非表示/違反報告)
さところ - めちゃくちゃ面白いです‼︎醜形恐怖症って何ですか?よければ教えてください。あと言い忘れてました、はじめまして。これから頑張ってください‼︎ (2021年10月23日 22時) (レス) @page24 id: 6a3452bb65 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あじゅき | 作成日時:2021年10月14日 21時

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