オオカミ少年:番外編3 ページ33
微かに聞こえた声に俺はハッとしてそちらを見る
まだ、2人とも微かにだが息はあるようだ
でも、
「ど、どうしよう…！血が、血が止まらないよ！このままじゃ」
ああくそ、なんで人間はこんなにすぐに死んでしまうんだ！
『………べ……』
「？？？」
『……オオカミさん…逃げて』
「……っ」
ぐっ、と歯を食いしばる。
出来ないのだ。だって狩人は、1人ではないのだから
さっきの銃声を聞きつけて時期に他の狩人もここへ辿り着く。
仮にもし、此処で逃げられてもこの傷ではいずれ誰かに殺されてしまう
「…………」
『…ﾀﾍﾞﾃ…』
「！！！！」
『ﾎﾞｸﾗｦ……ﾀﾍﾞﾃ。』
「な…んで」
『ﾎﾞｸﾗﾊ……ｷｯﾄ…ﾀｽｶﾞﾗ"ﾅ"ｲ!!!!』
ボロボロと涙を流し、震えてながら彼らは俺にそう言う
当然だ。だってまだ、俺達は子供なのだ。死なんて、知らなくてもいい感覚なんだから
「…っ、でも"！！！！」
『……おね…がい。…な、まえ…ｴｸﾞｯ……ｵｼﾞｴ…』
「……レトルト、レトルトだよ」
『…レトルトくん…ﾋｯｸ……おね…がい』
俺は震える手で、彼らの首に爪を突き立てた。
せめて、苦しまずに……
「…うっ…ひぐっ」
俺は、眼鏡の男の子から両手を。緑の髪の男の子から両足を貰った
「…み〜つけたぜ〜」
「………」
「……死ね！」
ﾋﾞｼｬｯ
狩人の顔に赤い液体が飛び散る。
「…！？ ｳｷﾞｬｧｧｧｧ!!!!」
目の前にあるのは、確かに、さっきまで狩人の体の一部だったもの
「………Aちゃんか」
俺の能力。それは、食したものの記憶を遡ることが出来る能力だった。
そんな能力を持って生まれた俺は、幼い頃に母親に捨てられ、それからはずっと一人で生きてきた
『p_p！今日は何して遊ぶ？』
『つわはすくん、コネシマがまたクラスのこと喧嘩してる！』
幾度となく流れてきた彼女の記憶。
守ってあげたい。守ってあげたかった。そんな感情が俺にどっと流れ込んできていた
「……行かなくちゃ。Aちゃんの所に、」
懺悔なんて、生ぬるい。命をかけて、今度は俺が守る番だ
＿＿＿＿＿＿＿＿＿
side〇〇
ある森の中で、紫色の彼はあるもの見つけた
「…おーい！なんか倒れてるんだけど、マンドラゴラの薬ってまだあったっけ？」
「あった…と、思いますよ？」
彼らはひょいと二つのものを持ち上げると、家に持ち帰る
ん？彼らは何者だって？
人狼なんて者がこの世に入るんだ。魔術師がいたってなんの不思議も無いだろう？
続く (更新停止中)
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しゃりこw(プロフ) - 蘭菊さん» 身近に居られるのですね！、私も両親が耳が不自由なので…！返信ありがとうございました。こちらこそ本当に嬉しいです！ (2017年6月3日 18時) (
レス) id: 6e0192e497 (このIDを非表示/違反報告)
蘭菊(プロフ) - しゃりこwさん» そう言ってもらえるなんて感激です！一応友人にそういう方がいて『そういう方々』がどういうふうな考え方をしているのか、それを知ってもらいたくて書きました。なのでしゃりこwさんのような感想は本当に嬉しいです (2017年6月3日 17時) (レス) id: fe041c55cc (このIDを非表示/違反報告)
しゃりこw(プロフ) - 初めまして、読ませていただきました。正直聲の形を元にという言葉を読んだ時差別的なものになってしまうのでは、と考えてしまいましたがそんなことは無くとても感動するお話でした。ありがとうございました (2017年6月3日 16時) (レス) id: 6e0192e497 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭菊 | 作成日時：2017年4月23日 14時
