その愛、雨模様。

詐欺師にはご注意を。(knmt)☆ ページ9

いつからだろう、こんなにも彼女の事を好きになったのは。弁当の具材や卵焼きの味付けを彼女好みの物に変えるようになったのは。毎日毎日、彼女が安心して暮らせる様にと見守る(・・・)ようになったのは。
隣に居る彼女をちらりと見て思い返す。だが結論は直ぐに出なかった為、まぁいいかと他の事を考える事にした。
今日あったこと..ああ、そういえば。

今日の昼休み、Aからストーカーの相談を受けた。
そろそろ気付かれてしまったかと一瞬焦ったが、どうやらAは僕だと気付いていない様子だったので適当なアドバイスをしてそそくさと話を切り上げてしまった。..だけど、もしかしたら危ないかもしれない。
下駄箱で手紙を見た辺りだろうか、Aの態度がどうもよそよそしい。
感ずかれたのではとさり気なく詮索をしても『何でもない』の一点張り。その何でもないは絶対に何でもあるという事、ストーカー2年目の僕じゃなくても分かると思うんですけどね。まぁ、隠し事が下手な部分もAらしくて可愛らしい。
僕がそんな事を思っていると、ふとAが立ち止まった。少し驚いて振り向くと、何か思い詰めた様子のAが立っていた。

『..剣持は』

『剣持は、ストーカーじゃないよね』


..ああ。


不安そうな表情のAに近寄ってそっと抱き締める。そのまま安心させるように頭を撫でてやり、否定の言葉を発した。

｢僕がそんなことするわけ無いじゃないですか｣

｢大体Aはこんな近くにいるんです、態々ストーカーなんて回りくどい事をせずに正々堂々とアピールした方が勝ち目があるでしょ｣

僕の言葉を信じたのだろう、Aはほっとしたように表情を緩ませると『そうだね』と笑って抱き締め返してきた。

本当に、馬鹿なA。
ここではいそうですと自らの悪事を肯定する馬鹿がどこにいると言うのだろう。それなのにこんな簡単に騙されてしまって。

ここまで来て、手放す訳無いじゃないですか。

逃すもんかと力を強め、Aに見えないようにそっと微笑んだ。

＿
リク3つ目。
ストーカー剣持いいな...

純真の模様です。(ammy)☆→←背信の模様です。(knmc)☆

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