【2j3j】発端はたまごサンド【男主】

悪戯 ページ31

「あたまいたい……」

「だから動くなっていったじゃん」

わかったようなことを言って呆れる葛葉くんを睨み、ソファにどかっと座る。

あの後、2人を正座させてこれでもかというくらいの怒りをぶつけた。
…多分2人は悪くないんだと思うけど。俺の酒癖が悪いからだと思うけど、どこにもやりきれない気持ちを出さないとどうにかなりそうだった。


「でも、酔った壮真ってあんな感じなんだねぇ」

「思い出さないで」

「いや、3日は脳にこびりつくだろあんなの」


ふん、生意気な葛葉くんを再度睨み、頭痛と戦いながら携帯を開く。もはやエゴサが趣味のようなもので、数日前か
ら暇があるたびに検索をかける。


デビュー数日で本性がバレる桐谷

お酒は追加オプションみたいな感じが良いと思ってたけど、デフォもなかなか

ライバーが一番ざわついてるw




どうやら、すごい時はトレンドにまでなっていたようで、読んでも読んでも読みきれないくらいの反応の数。

嬉しい反面、やはり恥ずかしい気持ちも大きかった。
こんなに多くの人にあんなものを晒して、どんな顔で配信すればいいんだ…？



何も言わないわけにはいかないので、とりあえずツイートをしておこう。

おはようと、諸々の……謝罪も。




それから、叶くんが遅めの朝ごはんを作ってくれて、ありがたく頂いた。本当は家主の俺が作らないといけないんだけど、治りかけの二日酔いを心配され、椅子に座らされた。


「ん〜！！おいしい！叶くんって、ほんとなんでもできるよね」

出てきたのは、朝らしいフレンチトースト。手間もかかるし、面倒くさいから滅多にしないから、本当に久しぶり。

「ふ……良かった。機嫌、治ったようで」

またもやさっきのことを掘り返され、餌付けのように感じてまたムスッとする。もちろんそんなに怒っているわけではないけど。


隣で、ほぼ寝ながら同じフレンチトーストを食べる葛葉くんは、寝起きでも食欲だけは旺盛なようで、黙々と食べる手が進んでいる。

そこで、なんでかはわからないけど、俺の悪戯心に火がついた。





「く〜ちゃん…♡」


「！！！！！！？？？？？」


試しに、前見かけたあだ名を耳元で囁いてみると、さっきまで眠たそうだった目が一気に開かれ、葛葉くんが慌てて椅子から立ち上がった。

置いてあったココアが溢れそうになって焦ったけど、それよりも葛葉くんの反応に驚く。


「おま、お、え？」

顔を真っ赤に染める葛葉くんに俺はにんまりと笑った。

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