分けっこ〈白&水〉 ページ5
「…」
「…」
ずっと無言で、静かな室内。
時折、マウスのクリック音やキーボードの打鍵音、ペンでさらさらと書く音がする。
カサカサ。
とぅーしはテーブルのカゴからキットカットを取って、袋を開けた。中のチョコをパキッと二つに分ける音が室内に響く。
とぅーしはチラリとネスを見た。
無言のまま椅子から立ち上がり、ソファに座るネスのもとへ行く。
ネスの隣に腰掛けたとぅーしは、スッとネスの口元にキットカットを持っていく。
ネスはちょっと驚いてとぅーしの手元を見た。そしてチョコと認識すると、無言で口を開けた。
とぅーしはその口にキットカットを入れ、ネスがそれをくわえたのを確認してから手を離した。
ネスはもぐもぐしながら、口から飛び出たキットカットも器用に口の中へ入れていった。
とぅーしはその横顔をじっと見つめていたが、キットカットが口の中にすべて収まるのを確認すると、自分もキットカットを口にくわえ、満足げに椅子へと戻って行った。
椅子に腰掛けて、ふと顔を上げると、こちらを見つめるネスと目が合った。
とぅーしはその表情から瞬時に察すると、カゴからもう一つキットカットを手に取り、ネスのもとへと戻った。
「もっと食う…?」
「ん、ちょーだい」
柔らかな笑みで答えるネス。
そんなネスにとぅーしも微笑みを返すと、二個目の袋を開けた。
終
22人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
サトウ(プロフ) - アクシス好きだな〜 (1月22日 14時) (レス) id: ec7ca02e6e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:tako | 作成日時:2023年6月8日 12時