Lv.28 ページ21
「ん…。」
アラームが鳴るより前に目が覚めた。
今、何時だ…?
時計を確認すると、もう少しでアラームが鳴る時間であることがわかった。
(もうこのまま起きるか…。)
眠い目をこすりながらスマホに目をやると、通知を告げるランプが点滅している。
スマホを手に取り操作すると、たくさんのメッセージが届いていた。思っていたよりも多いメッセージに、ちょっと眠気が飛んだ。
さらに操作を進めれば、「おめでとう」の文字が並んでいた。
(そうだ、今日は俺の誕生日…)
いったんメッセージを閉じて、SNSでエゴサーチしてみる。
「とぅーし、誕生日おめでとう!」
たくさんのメッセージ。
本当に驚くほどの、大量のメッセージたち..
俺は目をつむる。
いまだに信じられない。
こんなに多くの人が、自分の誕生日を祝ってくれるなんて。
この仕事を始める前は、ただの学生で、ダンスが好きで、絵を描いたり物を作るのが好きで、ただそれだけの人間だった。
なのに。
今ではたくさんの人が支えてくれて、見守ってくれて、応援してくれている。
その事実はいまだに信じられないくらいだが、こうして、俺へのメッセージやファンアートに自分の時間を割いてくれているのを見ると、そろそろちゃんと受け止めなきゃ、受け入れなきゃ、と思う。
俺を応援してくれる存在が、どんなにありがたいか、どんなに力をもらえているか。
感謝してもしきれない。
そう感じる。
だから…
俺は踊る。
作品を作る。
それしか思いつかない。
皆の気持ちに対する、お返し。
『推しが楽しんでる姿に、我々も楽しいと感じる』
わかる。そうだよね。
俺だってそうだもん。
自分にも推しがいるから、推す側の気持ちはわかってる。
だから、「推しが何をしたら嬉しいか」を、推される側として提供していけたらいいな、と思う。
自分が推される側になってるなんて、いまだに不思議な感覚ではあるけれど…
だけど、いつも感謝してる。
ほんとに、ありがとね。
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サトウ(プロフ) - アクシス好きだな〜 (1月22日 14時) (レス) id: ec7ca02e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tako | 作成日時:2023年6月8日 12時