体が、入れ替わる!?〈最終話〉 ページ19
もうすぐ、今日が終わる。
このめったにない体験の日が、幕を下ろそうとしている。
二人はとても満足していた。
楽しくて刺激的で、二度と味わえないであろう体験。
お互いに気を許せて、気を使わずに過ごせる、居心地の良い友人。
体の交換がコイツとで良かったな…
「ちょっと名残惜しいけど、眠りますか…。」
とぅーしが仰向けにゴロンと横たわる。
「だな…あ、今日、嫁がいない…」
「嫁?あぁ、抱きまくら?…いなくても大丈夫でしょ?」
「んー、けど、今日は人肌恋しい…お前、抱きまくらになって。」
そう言うとネスも寝転がり、とぅーしの体に自分の体をくっつけ、腕を回した。
「はぇ!?ちょっ、ねす!?」
「なぁに〜…?」
「…今日は酔っ払って甘えたさんかぁ…?」
「…そーかもね。お前の体がそうさせてんのかな…?」
「ちげぇよ!お前の心だろーが。笑」
とぅーしは顔だけ横に向けて、ネスの顔を見る。
ネスは目をトロンとさせながらふわふわとしゃべっている。
「…とぅに抱きついてんのに、目を開けたら俺の顔、ってのが、脳バグる…笑」
「たしかに…。しゃべり方はネスで、声と顔は俺…ってヤツに、今、抱きつかれてんだよなぁ…笑」
不思議で面白い。
こんな貴重な体験を共有できたのがコイツとで、ホント良かった。
「…体勢キツかったら、自由に動いていいからね…」
「…がっちりホールドされてて動けないんよね…笑」
二人はくすくすと笑い、互いの顔を見つめた。
目に映るのは、俺の顔。
中身は、気の置けない最高の友人…
明日の朝には元の体に戻る。
といっても、明日からだって、つまんない日々なんかじゃなくて…
楽しくて刺激的でわくわくするような日常が、また、始まる。
「…けいたんさんに感謝だね…」
ふわふわとした会話と余韻を楽しんでいた二人だったが、どちらからともなく、おやすみ、と声を掛け合うと、ニコリと微笑み目を閉じた。
終
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サトウ(プロフ) - アクシス好きだな〜 (1月22日 14時) (レス) id: ec7ca02e6e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:tako | 作成日時:2023年6月8日 12時