【RAB】時を紡ぐ、重ねてく。〈2〉 (ページ15)

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体が、入れ替わる!? ページ15

「…てゅーし。そろそろやるか…？」

今日はとぅーしがネスの家に来ている。
明日は一日中、二人で過ごすことに決めていた。

「うん、いーよ！」

とぅーしは明るい声で返事をした。

「…しかし、これ、ほんとに…？」
「ね。どうなんだろね。」

二人はテーブルの上にある、二枚の小さな木の札(ふだ)を見つめる。

それには複雑な絵が様々な色を使って描かれていて、縁は綺麗な模様が彫られている。

「…でも、これをくれたけいたんさん、嘘ついたりしてる感じはなかったんだよね…？」
「うん。人体には完全に無害、上手く使って楽しみな、って言ってくれて。」

そう、これは数日前にけいたんからもらったもの。

メンバー格付け企画の撮影後にこっそりと呼び出されたネスが、「ホントにとぅーしと入れ替わってみる？」と手渡されたものだった。

「…

一、木の札の裏に直筆でフルネームを書く。

二、相手の名前が入った札を枕の下に入れて寝る。

三、どちらかが寝入るまで、お互いの手を握っておく。

…だって。」

二人は紙に記された説明を読み上げ、使い方をおさらいした。

「…そしたら、朝起きたときに、二人の体が入れ替わってるって…。」

二人はお互いに顔を見合わせる。半信半疑、といった表情をしている。

「…やり方自体は簡単なんだよな。」
「そうね。木の札が、複製が難しいように作られてるんだってね。」
「眉唾モンではあるけど…」
「リスクとかは特にないし、やってみて損はないよね…」

二人は木の札に名前を書き入れ、床に二人分の寝床を用意した。
木の札を枕の下に入れる。

「…よし。これでOKかな。」

室内の電気を消し、隣同士で横たわる。

「…懐かしいな、ネスんちに大勢で泊まったときに雑魚寝したの思い出す…」
「だな。手は繋がなかったけど。笑」

二人はどちらからともなく手を伸ばし、相手の手を握っていた。

ダンスの振付や、ライブ中のパフォーマンス後に触れる、よく知った手。

二人は互いの手の感触とぬくもりに安心感を覚え、自然と眠くなってくる。

「…これが可愛い女の子の手だったらな…笑」
「それは仕方ないでしょーよ、同性でしか効果がないんでしょ？笑…」

二人はふわふわとたわいのない会話を交わしていたが、じゃあ、おやすみ…と声を掛け合うと、訪れた眠気に身を任せ、深い眠りへと落ちていった。