[ぷよクエ]みんなでレッツクエスト！ 2れんさ！

☆[ユーリ]辛い時こそ微笑んで ページ13

わたくしが天界から降りて最初に見た方は、
どこか寂しげな表情をした女性でした。
その方と仲良くなってから数ヶ月程経ちましたが、
未だにその表情は変わりません。
幾度か天界に戻る日が来ても、彼女のそれが
わたくしの頭に残って仕方が無いのです。

やがてわたくし達が互いに恋心を持ち、彼女がわたくしの恋人となった頃。
わたくしは、頃合いを見て理由を探る事にしました。
一度は訊ねたのですが…ね。
「A。
貴女はどうして、ずっと寂しそうに笑っているのですか？」
『え…。私、そんな顔してた？
本当に何も無いよ。』
答えるまでに少し間が空いたのが少し気になります。
もう少し踏み込んでみると。
「二人で夜を過ごした際には、わたくしの隣で眠っている筈の
貴女の泣いている声が聞こえていたので。」
わたくしの思い違いであれば良いのですが、と後に続けると、
Aは顔を俯かせてしまいました。
堪らずその肩を抱くわたくし。
そして彼女は、震える声でこう話し始めました。
『…私、ここに来る前に大切な人を見殺しにしてしまったの。
恋人の様に、仲の良かった人。
海辺で遊んでいた時に、彼が溺れてしまって。
周りの人は彼を助ける為に手を尽くしてくれたけど、
一番近くにいた筈の私は、何も出来なかった。』
わたくしは黙って話を聴き続けます。
『私に出来たのは、彼の名前を呼ぶ事だけ。
でも、救助隊が来た頃には…。』
「…彼は、亡くなられていた。」
今度は彼女が黙って頷きました。
涙声になりながら、その時の心境を吐露します。
『何勝手に悲しんでるんだろうね、私。
近くにいたのに、何も出来なかったんだもん。
落ち着けなくて、周りに余計に迷惑を掛けて…。』
その声からも彼女の悔恨が痛い程に伝わってきます。
「わたくしは天界に住む者。
なので、貴女の言う彼とは一度お会いしています。
確証は無いのですが…。
そんな彼らしき方が、このような事を仰っていました。
自分から死んでからAの笑顔を見ていない、と。」
驚いた様にわたくしを見る彼女。
「もし彼女と会えたら、今度はお前が彼女を笑顔にしてやってくれ。
彼はそうとも仰っていました。
ですので、貴女が心から笑える日が来るまで隣にいさせて頂きますね。」

確かにすぐには無理かも知れません。
しかし、彼女がこの世に生きている限りは
その心の傷が多少は癒えている事を、わたくしは切に願います。
〜〜〜
遅くなってしまって申し訳無い…！
リクエストありがとうございました！

☆[グリープ]Sombre et Profond -混沌の世界の中で-　※独自設定有り、舞台は主に冥界→←☆[戦乙女ダークアルル]Valkyrie of Darkness -たとえ闇に堕ちても-　※男主＆薔薇(？)＆微キャラ崩壊注意

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