May.45 ページ8
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ガチャ、玄関が開く音がする。レオが帰ってきたのだ。いつも、どこから入ってきてるのか分からないけど、今日は「玄関から入ってきて」とちゃんと要望しておいたのだ。
急いで、玄関に向かう。
「レオ、お誕生日おめでとう！！！」
その言葉と同時にクラッカーを鳴らした。
「ありがと〜、A！」
「お腹ぺこぺこ〜」って言いながら上がってくるレオの手を引っ張ってリビングに行く。今日はレオの誕生日会。部屋を誕生日仕様にアレンジしてみたんだ！
「おお〜！！なんかいつもと違う！」
Happybirthdayの形をした風船を壁に飾ってみたり、モールで部屋を華やかにしてみたり。なんと言っても、テーブルの上には豪華な料理！はい！私が全部作りました！
チキンやらグラタンやら色々のっている。
「美味しそうっ！ありがとな！A！いっただきまーす！」
最後には2人でケーキを食べて、楽しく過ごした。
＊
「美味しかった〜」
と言って床に寝転がったレオをみて、私はおもむろに立ち上がった。
タンスの1番上の段を開いて、あげる予定の小さな小袋を取り出した。
正直、これを渡すかめっちゃ迷ったんだけど、いい機会かなとも思ったんだよね。
「はい、レオ。私からのプレゼント。」
レオの目の前に袋をかざせば、「？」と顔をしたレオは袋を開けた。
「！！！鍵だ！Aの部屋の鍵！？」
そう私がレオにあげたのはこの部屋の鍵。いつも不法侵入でどこから入ってきてるのか分からないから、入って来るなら玄関から来いという意味も込めて。
「おおお！！ありがとう！A！めっちゃ嬉しい！」
目をキラキラ輝かせたレオは、すんごい嬉しそう。喜んでくれてよかったけど、
「鍵なくしたら、二度と渡さないからね。あと、それ、ストラップついてるからレオの携帯にでもつけといてね。そうすればどっちもなくさないでしょ？」
「わかった！絶対つける！」
嬉しそうに笑ったレオを見て私は満足した。
お誕生日おめでとう、レオ。
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作者名：玲咲 | 作成日時：2021年5月1日 0時
