May.61 ページ24
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翌日の打ち合わせ。ライブも近いということで、打ち合わせは毎日のようにある。
会議室に顔を出せば、昨年お世話になったスタッフさん方もちらほらいて、何人かに声をかけられた。「久しぶりだね」と言うだけで、深いことは聞いてこないあたりありがたい。
照明スタッフ、会場スタッフ、設営スタッフなどのチーフの方々が決定事項を発表する中で、妙なことに気づく。
……ステージはそこそこ大きいのに、どうしてアクロバット、いわば2winkお得意の大道芸が出来ないのか。そこである。
資料に目を通すと、ステージ上の無駄な器具の配置。明らかに置いてる数が多くて、邪魔である。大きくて、壮大な舞台装置であれば良いという訳では無い。
(これと、これと、これもいらないな)
本当にチーフの方々と相談してこの舞台装置を決めたのだろうか。昨年やった時とは全く違う。こんなデタラメに考える人達ではないのに…
「これで以上ね。他になにか言いたいことある人はいる?」
最高責任者である柏木すみれは、言葉とは裏腹に有無などは言わせまいという目付き。
「いないのね。じゃあ、最後にプロデューサーの
補佐と強調するあたり、自分に補佐がつくのが相当気に食わなかったのだろう。さっき挨拶した時もなんか睨まれたし。
「…はい。その前に、ライブまであと1週間しかないのですが、本当にこれで皆さんは満足しているのですか?」
私がそう問いかければ、チーフの方々は目を逸らしたり、俯いたりしている。…納得してないんだろうな。
「あなたねぇ!?何が言いたい訳!?」
2winkのライブを成功させるために、ここで私はガツンと言う必要がある。
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作者名:玲咲 | 作成日時:2021年5月1日 0時