検索窓
今日:33 hit、昨日:46 hit、合計:128,368 hit

May.60 ページ23

.









あの後、茨が「はっはっは!Aさんならそう言ってくれると思ってましたよ!ありがとうございます!」なんて愉快に笑っていた事を思い出す。






…はあ。まんまと茨に乗せられたなぁ。







会議室から出て、ぶらぶらと彷徨い歩いていれば、ベンチに辿り着く。どかっと座って適当に髪をかきあげた。





「浮かない顔してどうしたの?Aちゃんが浮かない顔してるなんて良くないね!悪い日和っ!」





顔をあげれば、ライトグリーンの髪色の日和と目が合う。






「……ひより」








日和が隣に腰をかけると、私の顔を覗き込んで心配そうな顔をした。









「…茨にさ、プロデューサーの補佐をやれって言われてさ…」

「茨が…?」







日和は私がプロデューサーをやめた理由を知ってる唯一の友達。レオすらも知らない私がプロデューサーを辞めた理由を、である。それは、プロデューサーを辞めるきっかけとなった事件で日和がたまたま助けてくれたから。





でも、私がそれを「誰にも言わないで」と言っているから日和は黙ってくれている。





そんな日和に今さっきあったことを全て語った。








「…茨はAちゃんのこと、何も分かってないね」

「まあ、誰にも言ってないしね」

「やりたくなければ、やらなくてもいいね。どうせ、2winkのことだって茨が仕組んだことだろうしね。Aちゃんが気にすることはないね」







そう、日和曰く2winkのあの問題は恐らく全て茨の企み。私が断ってしまっても2winkが悪いようにはならないと。





「でも…さ。1度引き受けた仕事を辞めるのは、さ。ちょっと違うじゃん」

「…。Aちゃんがやりたいならやるべきだね。でも、無理しないように適度にやったらいいね。辛くなったら、いつでも連絡していいね。」

「ありがとう、日和。」






プロデューサーの補佐だから、あくまでプロデューサーでは無い。




あの女の補佐をする、というよりあの女の根本を正す、ってことだよね。だから、大丈夫。









.

May.61→←May.59



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (127 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
383人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:玲咲 | 作成日時:2021年5月1日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。