May.56 ページ19
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連れてこられたのはESビルの一室____会議室。
そこには、とんでもない女王様がいた。
「ひなた、ゆうた、遅い!!あたしを待たせるなんてどういうつもり!?そっちが忙しいあたしを呼び出しておいて、あたしより遅く来るなんて常識ってもんがないわね!」
高いツインテールにクルクル巻いた髪。服はピンクのフリフリドレスで、派手なピアスにネックレス。メイクも濃くて、こいつはここに何しに来たんだって感じ。
「しかも、みすぼらしい地味女連れてきてるし!あんたら、反省ってもんがないわけ!?」
ひなたとゆうたの言い分を聞かずに、自分の主張だけをまくし立てるこの女は、私にまで飛び火してきた。
「確かに遅れたのは申し訳ないですけど、まだ約束の時間の10分前ですし、そこまで怒らなくても…」
「はあ!?あたしに来るのが早すぎって言いたいわけ!?ゆうたのくせに生意気よ!!」
「俺たちそんなこと言ってませんよ〜!すみれさんがいつ来るかなんて俺たち分からないし…」
「分からないなら、もっと早く来なさいよ」
話が通じないってこういうことか〜〜〜〜。
確かに通じなさそうだし、めっちゃわがままだな!この子!
「…で、今度は何?」
「何度もお願いしてるんですけど、俺たちにアクロバットをやらせて欲しいんです!」
「だから、それは何度も無理って言ってるでしょ!あんた達アイドルはプロデューサーであるあたしに生かされてステージに立ってるの。今はアイドル全盛期時代。あんた達の代わりのアイドルなんていくらでもいるの!ライブが出来るだけでも感謝して欲しいくらいよ」
仁王立ちして言い放ったこの女は、顎を上げて2人を見下している。
……なんだこいつ、ありえない。
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作者名:玲咲 | 作成日時:2021年5月1日 0時