私の兄は衣更真緒 (ページ5)

今日:4 hit、昨日:27 hit、合計:110,630 hit

5. ページ5

.

「お待たせしました～。凛月お兄ちゃん特製のアップルパイですよ～、あれ？」

「はーくん、ありがと～。あ、そうそう、まーくんの妹のA。仲良くしてあげてね」

なんともまあ適当な紹介ありがとうございます。この女の子みたいな見た目の「はーくん」と呼ばれたこの人は、ぱぁぁと効果音がつきそうな感じで満面の笑みを浮かべた。

「そうだったんですね！初めましてRa*bitsの紫之創です。よろしくお願いしますね、Aちゃん♪」

「こちらこそ。えっと創くん？」

「はい♪」

.......あ、かわいい。そして、めちゃくちゃ性格よさそう。

「てか、凛月くんが作ったアップルパイ、普通に美味しそうで安心した」

「何言ってるの、いつも美味しそうでしょ？俺お菓子作り得意だからね？」

「いや、見た目が絶望的じゃん」

目の前に綺麗に切り分けられたアップルパイ。網目状に整頓された生地が程よく焼けていて、中から林檎のいい香りがする。じゅるり、とヨダレが出そうになるのをこらえ、三角に切り分けられたアップルパイにフォークを挿入する。

「.......ん～美味しい～♪」

林檎のフィリングが口いっぱいに広がる。.......ああ、幸せだぁ。

「美味しそうに食べてくれるねぇ。てか、さっきから携帯鳴ってるけど大丈夫？」

「.......ん？あっ！！お兄に連絡するの忘れてた！！」

.