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約束の時間になって、夢ノ咲の門の前で待ってる私。さすが私立とでも言うべきか、建物が凄いでかい。しかもめっちゃ綺麗。私の公立中学とは比べちゃダメだな。
『もう着いたよ』
とだけお兄に送り、でかいなぁと門の中を覗き込んでいると、視界の端でちょーでかい車が止まった。めっちゃ長くて高級そうでピカピカに綺麗に磨かれた黒い車。.......さすが私立。
その中からお兄と同じ制服を着た男の人が降りてきた。そして、あたかも私が不審者か、もしくは出待ちのファンであるかのように声をかけてきた。
「そこの君。申し訳ないけど、夢ノ咲は、特にアイドル科の出待ちは禁止されていてね。警備員が来る前に帰ることをオススメするよ」
「あ、違うんです。忘れ物届けに来てて。」
「.......忘れ物？」
「そうです。あの、知ってるか分からないんですけど、私衣更真緒の妹でして、お兄の忘れ物届けに来てて」
私がそう言うと、この綺麗な顔立ちの彼は「ああ！真緒の妹さんか。言われてみれば、なんだか雰囲気が似ているね」
「そうだ、良かったらお茶していかない？」
いい考えが思いついた、とでも言いたげな顔をしたイケメンさん。
.......いや、突然すぎるし、ここ、あなたのお家じゃないでしょうよ。
「ここ、関係者以外入れないんじゃないんですか？」
「んー、まあ基本はそうだね。でも、大丈夫だよ。この生徒会長の僕が君の入校を許可したからね。」
「.......え、生徒会長さんなんですか？」
「そうだよ。ふふ、いい茶葉が手に入ったんだ。お菓子もあるから良かったらどうだい？」
お菓子なんて聞いたら、行かない訳には行かないだろう.......。
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作者名：玲咲 | 作成日時：2021年2月8日 16時
