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寒気に襲われる。カタカタと肩が震える。
いやだ、いやだ、いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ。生きたい、まだ生きていたい。
その感情が高まる俺の頭に彼女の手が乗った。
ゆっくりと徐々に早くボサボサの頭が撫でられる。
『死にたく無い、そう思ったろ？それが普通の考えだ。君は今、普通の考えをしている。死に抗うのが人間だ。君は異常生物なんかじゃ無いんだ。感情を忘れていない君は、普通の人間だよ。』
桃色の瞳が俺の汚れきった瞳に写った。
綺麗だった。
『死にたく無いなら俺と来い。俺は、お前みたいな奴を増やしたくない。戦争に使われる実験体など要らない。俺に一生の忠誠を誓う犬になれ。そしたら、俺はお前に名前をやる。お前に世界を見せてやろう。お前を貶す者など居ない世界にしよう。さぁ、どうだ？勿論強制はしない。』
もし、この人についていけば何かが変わるかもしれないと思った。
『今まで良く頑張ったな。本当に強い子だよ、お前は。偉い、偉いぞ。』
この人は、こんな俺を愛してくれるのでは無いかと思った。
ただひたすらに、撫でてくれる彼女の手が温かかった。
気づけば、俺の目からはボロボロと涙が出てきていた。いつぶりだろうか、こんなに止まらない程泣くのは。
「…あ、あんたは…ﾋｸｯ、おれにいきる…いきるいみをくれるん…？おれをすてへん…？ｳｸﾞ、ずっといてくれるん？」
『当たり前だ。俺は、可愛い犬を捨てるほど馬鹿じゃない。さぁ、もう一度聞く。俺と共に来るか？』
「…く！ﾋｸｯ…行き、ます‥!行かせてください…！」
そう言うと深い笑みを彼女は浮かべた。
『今から、この瞬間から、お前はトントンだ。俺の忠実なる犬だ。よろしくな、トントン。』
彼女が言ったその瞬間、俺の名はトントンになった。醜い豚の俺では無く、忠実なるA様の犬になった。
これが、俺の始まりだ。
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ぱぁ - Mエミ最高です…！一ヶ月に二回は読みにきてますw (2020年8月19日 15時) (
レス) id: 3f15dcefd5 (このIDを非表示/違反報告)
階梯(プロフ) - リクエスト、お答えしてくれてありがとうございます！凄い面白かったです！続編も頑張ってください (2020年3月1日 8時) (レス) id: 98e981bcd0 (このIDを非表示/違反報告)
階梯(プロフ) - 鏡さん» ありがとうございます！楽しみにしてます！ (2020年2月25日 6時) (レス) id: 98e981bcd0 (このIDを非表示/違反報告)
鏡(プロフ) - 階梯さん» 初コメありがとうございます!リクエストお受け致します!!トントン編が終わるまで暫しお待ちを!! (2020年2月24日 21時) (レス) id: 8609e55ade (このIDを非表示/違反報告)
鏡(プロフ) - 南雲さん» ありがとうございます!がんばります (2020年2月24日 21時) (レス) id: 8609e55ade (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡
| 作成日時：2020年2月13日 11時
