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頭部と項さえ無事なら——。
だが、先ほど右目を潰され視界が狭くなっていた巨人の視界では、正確な被弾地点を読めなかった。おまけに、左から別の雷槍が左腕を落とす。フロックの雷槍が巨人の喉元へ迫っていた。
このままでは項を巻き込む——。
「副団長！！！」
その瞬間、視界を横切った影。
ユーリだった。彼が目前に迫っていた雷槍をブレードで弾き、雷槍が浮く。しかし、機動力を失ったフロックが急降下し、その反動で雷槍のアンカーが外れた。
《ア、待ッテ——》
思わず右腕を伸ばすも、ユーリがそれに縋ることはなかった。
濁った視界で最後に見えたのは、左方の海へ落ちていく小さな人影と、ユーリの肩の荷が降りたような顔。
��————後は、お願いします。��
浮いた雷槍が、巨人の左目を直撃した。
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2024年2月19日 8時
