Name of Love ―Final SeasonⅡ-3―《進撃の巨人》 (ページ4)

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「おい…、いったい、何がどうなってやがる…」

屋根の上で、困惑する兵士が一人。

「あんな巨人、見たことねぇぞ」

やはり目を奪われる先は、朝陽に反射する金糸の髪か。

「いったい誰が……」

「フロック！！」

仲間の声にハッと我に返った、イェーガー派大将——フロック・フォルスター。港争奪戦の火蓋を切った人物だ。

金糸の巨人に奪われていた目がようやく地上に降りると、地下に立てこもっていたはずのアズマビトの姿が目に入る。

「アズマビトの整備士だ！殺せ！！」

アズマビトに向けて銃弾を放つも、あっという間に彼を呼んだ仲間は吹っ飛ばされ、斬り殺される。

血飛沫の向こう側に見えた顔は、見知ったメガネと黒髪——かつての上官と同期だ。

「っ、この、売国奴があぁ！！」

放った銃弾はかすりもせず、ただひたすらに屋根を砕いていく。立体機動戦で年季の入り方が違う団長と、超人的な力を持つアッカーマン。そう簡単に倒せるわけもないのだ。

それでも思考は巡る。

なぜ、アズマビトが出てきた。なぜ、見知らぬ巨人がここにいる。危険を冒してまでどこに。何よりあの巨人の持ち主は誰だ。