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無垢の巨人が見えるだけでも七体、こちらに向かってきていた。
「ひとまずあの砦を目指そう。そこを拠点にする」
「あぁ」
アルミンに答えながらジャンはさっと辺りを見渡す。案の定、先に飛び立って行ったユーリが巨人の合間を縫って飛び回っていた。退避する壁もないこの状況で、一人で巨人を相手にするのはそれこそ自 殺行為だ。
「ユーリさんだ。とりあえず合流して——」
「ジャン！！」
ミカサの声に再び巨人の巨大な手が迫っていることに気づく。同時に自分の余裕のなさにも気付かされた。
「クッソ…！」
ジャンは一飛びで巨人を回避すると、アルミンとミカサに叫んだ。
「俺はユーリさんと合流する！お前らも砦に向かいつつ、削げるだけ削いでくれ！！」
「分かった！！」
アルミンたちが動き出すのを確認する前に、ジャンは前方でイェーガー派の兵士を鷲掴む巨人の項に刃を立てるユーリの元へ向かった。
「ユーリさん！！」
どうやらユーリも同じ考えだったらしく、項を削いですぐ砦の方へ飛んでいく。彼に並走しながらジャンは声を張った。
「まだどうするかは決めてません。でもまずはこの巨人をどうにかしない限りはっ…！」
「あぁ。アルミンたちも砦に向かってるんだろ」
「はい」
「ありったけの装備と兵士を集めるんだ。巨人は人が多いところに自然と集まる。一気に雷槍で叩くぞ」
「了解っ！」
良かった、俺の判断は間違っていなかった。
ユーリが同じ策を講じていたことにジャンは一瞬だけ胸を撫で下ろす。
「俺は義勇兵をどうにかする。どうせイェレナが眺めのいいあそこを陣取っているだろうからな。ジャンは現場の指揮を頼む」
「はい」
バシッと強めに叩かれた肩が、自信になった。
ユーリと別れ、生き残りの兵を探しに高度を下げたジャンはチラリと副団長の背中を見やる。先ほど副団長失格だなんて言っていたのが嘘のようだ。さっきだって、巨人が掴んでいた兵士は調査兵だ。
ジャンはほんの少しだけ、本当に少しだけ口角を上げた。
「やっぱ、…すげぇな」
一言だけ呟くと、眼下の兵士たちへ目線をさげ、口元を引き締めた。
ジャンの心は少しだけ傾いた。
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なぎさ(プロフ) - 何回も見返すほど大好きです！！更新楽しみにしてます！ (11月21日 13時) (
レス) @page33 id: 548ee16a42 (このIDを非表示/違反報告)
春花(プロフ) - こちらのシリーズとっても大好きでいつも更新を楽しみにしてます‼︎完結まで頑張ってください、完結まで応援させてください‼︎ (11月5日 16時) (レス) id: 27efe983cc (このIDを非表示/違反報告)
ああ - このシリーズ大好きですっ (10月11日 23時) (レス) @page11 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - ずっと応援します‼︎大好きです！ (10月10日 15時) (レス) @page11 id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - このシリーズマジで面白くて大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月9日 21時) (レス) @page1 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月2日 9時
