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ユーリはゆっくりと腕の中から顔を上げ、遠くの蒸気を見つめた。
「ただ、あれをどうにかする力は、情けないが俺にはない。俺は、副団長失格だ。こんなことを言っておきながら、状況を変えることも、みんなの命を背負うこともできない。俺は所詮、ハンジさんや兵長の後をついていってただけなんだ。…ルアナさんのようにはできない」
エルヴィンが巨人に片腕を喰われ、絶対的な指揮塔を失うという絶望的な状況に皆が戦意喪失しかけたその時、颯爽と視界をよぎった
何度も何度も、救われた。そんな副団長を目指してきたが、全く敵うわけがないと気づいたのは随分と前だ。
だからせめて、せめて真っ先に折れることだけはやめようと、死闘の数々を生き残った責任を投げ出すことだけはしないと心に決めた。
「…でもジャン、悪いな」
生ある限り足掻き通す。いつも導いてくれた背中がそうしていたから——。
ユーリはゆっくりと膝を起こし、彼らに背を向ける形で立った。
「俺は、これを許すつもりはないよ」
そう言って小さく振り返った彼に、ジャンも他の三人もはっと息を呑んだ。
ユーリはすぐに目線を前に戻し、地鳴らしの大群へ強い眼差しを向けた。
「俺はイェーガー派に組み入るつもりはない。多勢に無勢ですぐ殺されたとしてもな。それにもう、俺は君たちの副団長でもなんでもない。だから、君たちは君たちのしたいようにしてくれ。これが、副団長としてできる最後の仕事だ。…もちろん、ついてきてくれたら嬉しいけど。でもそんな命令はしない。俺は俺が正しいと思うことをするよ。だから、君たちもそうしてほしい。俺から言えるのはそれだけだ」
そしてユーリはそのまま、地鳴らしの方へと飛び立って行った。
彼は兵団のマントを着ていなかったが、ジャンの目にはいつしか見た大きく重い翼が生えているように見えた。
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なぎさ(プロフ) - 何回も見返すほど大好きです！！更新楽しみにしてます！ (11月21日 13時) (
レス) @page33 id: 548ee16a42 (このIDを非表示/違反報告)
春花(プロフ) - こちらのシリーズとっても大好きでいつも更新を楽しみにしてます‼︎完結まで頑張ってください、完結まで応援させてください‼︎ (11月5日 16時) (レス) id: 27efe983cc (このIDを非表示/違反報告)
ああ - このシリーズ大好きですっ (10月11日 23時) (レス) @page11 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - ずっと応援します‼︎大好きです！ (10月10日 15時) (レス) @page11 id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - このシリーズマジで面白くて大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月9日 21時) (レス) @page1 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月2日 9時
